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283.短編小説のコーナー
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91 :黒帽子
2023/01/20(金) 10:17:39
私はノコノコである。クッパ様に忠誠を誓ったカメ軍団の一人で、ピーチ姫を奪い取ろうとするマリオを撃退するのが仕事だ。さて、今日のシフトは「第3地区第1拠点」近辺の階段でマリオを待ち伏せることだ。最近の解析で分かったことは、第1地区と第4地区の地下エリアにて、マリオの奴が我々の帰還用土管を勝手に使ってクッパ城のある第8地区までやってくるようになったことだ。第2、第3地区は案外ローリスクな仕事となっているし、ファイアマリオが来ないことを祈ろう。
早速警報だ、奴が攻めてきたな?土管を使わず片っ端から拠点を攻めていくのは余程自信があるやつか、訳もわからず突き進む方向音痴のはずだ。まあ、方向音痴の可能性が高いだろうけど。
「敵襲!緑の帽子です!」
高いところで見ているが、いつものマリオと違って緑色の帽子をかぶっている。噂でよく聞く、マリオの弟のことか。滅多に姿を見せないが、兄顔負けの勢いでやってくる。
「ぐわあ!」
「うぎゃあ!」
「ギエピー!」
同胞が次々と倒されていく。ファイアマリオのような姿でもないし、ましてや虹色に光ってない。今回は化け物か!
近づいてきたので、階段を駆け降りた。マリオの弟は、階段付近で一気にジャンプ、1秒後には私の頭上だった。
私は踏まれて咄嗟に甲羅にこもった。あとは蹴られるだけか。
それにしても痛い!階段だからか逃げ場がない!遠慮なくガンガン踏まれる。3年ローンで買った甲羅がもう凹んで使い物にならなさそうだ。
だが時間をここで潰してくれれば増援がやってきて、奴も捕まるだろう。早くやってきてくれ。
しかし、苦しみからは予想よりも早く解放された。
踏まれる感触は無くなった。ルイージはあっさりと拠点へ侵入してしまった。ああ、今日の報酬が半額になってしまう。
甲羅から頭と手足を出して、階段を上がって陥落された拠点を確認した。拠点からマリオの弟が出ていくではないか。しかもさっきは一人だったのに100人ほどの大群となって次のエリアを攻めている。ああもうおしまいだ。
その時、一本の連絡が来た。
「マリオが単身でクッパ城に突入してきた。」
兄弟揃ってカメ軍団を壊滅させる気だ。明日から仕事どうしよう。
fin
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