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340.シャインシックス【小説スレ】
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22 :ダーク・ナイト
2023/02/03(金) 17:53:06

第二十話 「レインボードリンクの伝説〜中編その2から中編その3まで〜」

・中編その2・
「ある街にある、このレインボーフルーツ。見た目は毒々しく、怪しんで食べない者がほとんどだが、実は食べられる。味は濃厚で、舌がとろけるほど甘い。一口かじるごとに味が変わる。色は虹色で、形は洋梨型。さわると若干つるつるしており、噛みごたえはぷにぷにしていて柔らかい。」
「へー!じゃあ、コレ食べれるんだ!」
とジーナは興味津々にフルーツをながめた。
「ですが、レインボーフルーツって本当に美味しそうですよね。」
とみぞれがレインボーフルーツをじっと見て、今にもかぶりつきそうな目をしている。
「ですわね。私も召し上がってみたいと思いますわ。」
と来夢も言う。
異口同音なため、早速食べてみることにした。
かぷり。
最初に、みぞれが食べてみた。
皮までもが柔らかく、肉厚で果汁たっぷりな味わいだ。
一口かじるごとに味が変化するため、何口でも食べられそうな、まさに魔法のフルーツだ。
最初の一口目は、りんごの優しい甘い味わい。
次の二口目は、オレンジの甘酸っぱい味わい。
次の三口目は、バナナの濃厚でトロピカルな味わい。
四口目は、メロンのさわやかでジューシーなな味わい。
五口目は、ぶどうの甘味と酸味が舌の上でとろけだす味わい。
六口目は、ブルーベリーのほのかな酸味のある味わい。
七口目は、いちごの春の吹雪を感じられる胸のときめきの味わい。
一口ごとに、みぞれは「うーん!」と感動をうなってしまう。
この味わいは、言葉でもとても言い表せないくらいの味だ。
みぞれに続いて来夢もかじってみた。
目を飛び出さんばかりに開きながら、レインボーフルーツをかじる口はやめられない。
ジーナも横でレインボーフルーツをかじりながら、幸せそうな顔を見せている。
三人は、芯まで大切になめきった。
すると、なぜか満腹になり、一食分を食べたような気分になった。辞典のレインボーフルーツは、次のページにも説明が続いていた。来夢がそれに気がついて、読みあげた。
「なお、1つを食べると一食分のご飯を食べたように満腹になる。バトルのときのエネルギー補給にもおすすめ。」
それを見た三人は顔を見合わせた。
(このレインボーフルーツを持っていきたい!)
三人が考えていることはこれにまとまっていた。
「でも…。」
とジーナが残念そうにレインボーフルーツへ視線を向ける。
「このままでは腐ってしまうのでは無いでしょう?」
と来夢も心配そうにうつむきながら聞く。
ただ、みぞれ1人が自信満々だった。

・中編その3・
「どうしたの、みぞれ?」
「どういたしました?解決策でも思いつきましたの?」
ジーナと来夢はみぞれに聞き合う。
みぞれは、コクッとうなずいた。
みぞれは木からレインボーフルーツを九個つみとった。
「コールドウィンター!」
あっという間に、レインボーフルーツが凍った。
「凍ったら腐らないでしょう?」
とみぞれが二人に堂々と説明した。
なるほど、その手があったか!と二人は手を叩いた。
このようなときに、チルドタイプの協力者がいたことにジーナは感謝した。
そして、レインボーフルーツは私服にジーナが付けている「無限ポシェット」に入れた。
すると、森の奥の方から声がした。
この声…なんだか聞き覚えのある声だ。とジーナは感づいた。
その声に近づいていこうとする来夢とみぞれを引き止め、草むらから様子をうかがっていた。
やはりジーナの勘通り、バリスパーの団員だった。
「ここらへんに、レインボーフルーツとやらがあるらしいですよ。」
「見たところ無いのだが…。」
「木に実っているのですよね?」
「噂では、そのフルーツでジュースを作ると、1時間だけ無敵な体になれるらしいぞ。」
と、団員の声が聞こえてくる。
おそらく四人くらいがいるだろう。声の種類が四種類ある。
その声は三人の隠れている草むらの前を通り越して、三人が来た道を進んでいった。
団員が通り過ぎていった後、来夢が二人に告げた。
「聞きました?無敵な体になれるらしいとのことですわ。」
まさか、レインボーフルーツにそんな力があるなんて…と三人は驚いていた。
たまたま見つけたフルーツに戦いに有力な力があったのだとは、単なる偶然だとしか思えなかった。
⇒二十一話へ続きます!

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