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340.シャインシックス【小説スレ】
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27 :ダーク・ナイト
2023/02/05(日) 11:19:22

第二十五話 「小さな怪物登場」

小さな影がとっとっとっと、厳しい風の中、走ってくる。
スパァン!と音がして、氷でできた刀がサボルナの頭にかすった。
サボルナは凍りついて、両手を上げた状態で固まっている。
みぞれの攻撃の上から氷の刀が当たったため、二重に凍ったのだろう。
小さな動物はくるっと振り向いた。
光る黒豆のような瞳を三人に向け、ふわふわとした純粋な白色の毛を揺らすたびに風にのって毛が飛んでいく。
その様子は、まるでたんぽぽの綿毛のようだ。
それまで張り詰めた空気だったが、その動物によって空気が少しだけ春色になった。
「あ…あなたは?」
助けてくれてありがとう、の言葉も忘れてジーナは動物に聞いた。
「私は…すかい。」
その動物はほんのりと桃色に頬を染めて言った。
「すかい、助けてくれてありがとうございます。」
とみぞれがご丁寧に言った。
みぞれの言葉でジーナと来夢は恥ずかしくなった。
助けてもらった恩人に、お礼を言っていなかったとは。
二人はあわてて動物に感謝を伝えた。
「ありがとう!」
「本当に感謝ですわ。」
「なにかお詫びに…」
とみぞれがすかいに聞いたが、すかいは小さく首を振った。
「私は…なにもいりません。…!」
すかいはなにかを思いつき、小さなスカイブルーカラーのダウンからなにかを取り出した。
「これは…ブルームーンストーンです。使ってください。」
そう言って、すかいは去っていった。
すかいの後ろ姿は砂風にかき消され、あっという間に小さくなっていった。
その場に三人はしばらく立ち尽くしていた。
やがて来夢が声を出した。
「また…助けられましたわね。」
「それは嬉しいのだけど…」
とみぞれが眉をひそめて話しだした。
「私達の力を発揮しなければ団として結成できないのでは…?」
その言葉に、二人は夢から覚めたようにハッとした。
⇒二十六話へ続きます!

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