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340.シャインシックス【小説スレ】
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36 :ダーク・ナイト
2023/02/18(土) 12:29:22

第三十四話 「怪しの山小屋 その2」

三人はずいぶん歩いた。
もう30分は歩いただろう。
三人はへとへとになっていた。
「ちょっとお水を飲みましょうか。」
と来夢が言った。
二人はもちろん賛成した。
自分たちのポシェットから水筒を取り出し、ごくんと一口水を飲んだ。
たったの一口のはずなのに、ずいぶんと美味しく感じる。
水で喉を潤して、再び出発した。

それから10分くらい経っただろうか。
日は沈み、空は薄紫色に輝いていた。
さっきまで遠くに見えていた林は、今や目の前にある。
林への入り口には、ボロボロの木の看板が立っていた。
そして、にじんだ黒い字でこう書いてあった。
「熊出没注意」
「この字、何と読むのですか?」
とみぞれが「熊」の字を指さした。
「それはね、くまって読むの。」
とジーナが半分呆れて答えると、みぞれは
「なるほど、くまでぼつちゅうい…へー。」
とつぶやいた。
「あの、でぼつではなく、しゅつぼつですわ。」
来夢が申し訳なさそうに訂正した。
みぞれは
「くましゅつぼつちゅうい……」
とつぶやいて紙にメモをした。
熊出没注意。
その言葉が三人の頭の中に焼きついている。
これからこの林の中を進んでいくが……大丈夫だろうか。
ジーナは生唾をごくりと飲み込んだ。
みぞれと来夢も顔をしかめている。
だが、この他に道はない。
元来た道か林の中へ続く道。どちらかしか無いのだ。
だとしたらこちらの道を行くしかない。
⇒三十五話へ続きます!

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