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396 :げらっち
2024/12/11(水) 11:36:26

20 野望の果て
私が最も好きなエピソードの1つ。
犯人をじりじり追い詰めていく、焦らせていくというコロンボらしい戦法が丁寧に濃密に描かれている。
犯人像がやや人間臭すぎる、間抜けすぎるという指摘も存在する。確かに最後の自滅があほすぎる(コロンボでなくとも気付けるだろう)という問題点はあるが、でもジャッキー・クーパーは大好き。

それから90分尺あるあるとして、尺伸ばしシーンが見受けられるのも若干の問題点。
歯医者、採寸(これは唯一ミステリに関係しているが)、車の点検の3シーンは露骨な尺伸ばしに思える。
そもそもヴィト・スコッティが出るシーンはどれも尺伸ばしの可能性がある…(彼は5回登場しているがいずれも90分尺)

まあ今作が名作であることに変わりはないのだが。
選挙中の対決という構図が素晴らしいし、3度に渡る犯人との対決はどれも魅力的。

『悪の温室』のグローバー刑事が何故かバーノン刑事という別の名で出ているが、ほとんど同じ役回りを与えられており、実質的に同じ役と言える。
この2作は監督も同じで、本質がかなり似通っている。
悪の温室は誘拐事件の捜査、今作はヘイワードの護衛というもう1つの任務と同時並行でコロンボの殺人捜査が行われている、という点が似ているのだ。
そしてその2つの事件の橋渡しをするのがグローバー/バーノン刑事となっている(悪の温室はウィルソンも居たが、彼の再登場はかなり先までお預け…)。
この2作では他の刑事たちが間違った真相に喰い付く中で、コロンボがただ1人真相に迫って行き真犯人を逮捕する、という流れが同じになっている。

ラスト、コロンボが犯人に対し「はい」を5回繰り返した後で「いいえ」の一言で状況をひっくり返してしまうという演出もかなりお見事。
「いいえ」と言われた直後から犯人は一言も発しておらず、完全に言い返せなくなっているのだ!!
そしてラストのラスト、もう何も反論できずパチッと目を瞑る犯人、(途中はネチネチ言っていたのに)最後はダメ押しをせずきれいに切り上げるコロンボ、という対決の切れ味が素晴らしかった。

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