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458 :げらっち
2025/03/04(火) 00:00:19

新・刑事コロンボ
ゲラ流ベスト12

ファンから黒歴史扱いされている『新』だが、丁寧に見て行けば、見る価値がある作品も一部だが存在することがわかるだろう。
まあ、イレギュラーすぎる『幻の娼婦』、『かみさんよ、安らかに』、『死者のギャンブル』、『殺意のナイトクラブ』や
もはやどうやったって楽しんで見るのは不可能レベルの『影なき殺人者』、『初夜に消えた花嫁』、『死を呼ぶジグソー』などのトンデモない作品もあるのだが。

とりあえず、何回かにわけて12個は紹介したい。


46 汚れた超能力
新シリーズ開幕作なので一見の価値はあるが、内容は悲惨。
無駄にスケールの大きな事件の割に器の小さい犯人、無駄に残虐な殺害法、冴えない手掛かり、冗長な謎解き、『美食の報酬』『攻撃命令』と同じく犯人にコロンボの命を狙わせるという無理のあるラスト。
特に、超能力のトリックを長々と実演して解き明かす芝居がかったシーンは、見るのを止めたくなる程の冗長さで、旧シリーズ第7シーズンに引き続き製作総指揮の座についたシモンズ氏の悪い癖が顕著に出てしまったと思う。
それと大きな問題点として、これもシモンズあるあるなのだが、復讐劇に凝り過ぎて、「CIAに入りたいという犯人の目的」と「復讐の殺人」という要素がチグハグだったと思う。
単純に、犯人の超能力の欺瞞を見抜き、CIA入りを邪魔しようとした人物を殺す、というようなほうがドラマがスッキリし、逮捕=CIA入りも破綻、というのが結びついたように思える。
犯人に霊的捜査を要求する、というのは新シリーズ第1話にして奇抜過ぎではないだろうか。
但しおしゃれな雰囲気は悪くないし、新シリーズ後半の諸作品と比べればまだ上質に作られているのはわかる。

47 狂ったシナリオ
新シリーズだと思って侮って掛かると痛い目を見るぞ…
犯行からコロンボ登場、手掛かり足掛かりを集めていく流れは本当に完璧クラス。
但し、大問題のラストと、コロンボが汽車の模型に乗せて証拠を提出するシーンが大きなマイナス点になっている…こんなのコロンボじゃない。
特にラストは、いくら「演技」がキーワードの事件だったからといって、あんなやり方はコロンボらしさのカケラも無いだろう。
また、『もう1つの鍵』や『秒読みの殺人』と同じく犯人とコロンボのパワーバランスが悪く、コロンボが犯人をいたぶっているように見えてしまうのもコロンボらしからぬ点。高慢な犯人との攻防が醍醐味なのに。
犯人を蹴落すことに快感を覚えるコロンボの姿は、旧シリーズ前半からかけ離れている…
それでもシモンズのこだわりが良い方向に行った例だと思うし、新シリーズの中では上位の出来に思える。

48 幻の娼婦
は飛ばしまして…

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459 :げらっち
2025/03/04(火) 00:01:54

49 迷子の兵隊
これもシモンズ編特有のリッチな雰囲気が味わえる佳作。
パジェット将軍の貫禄と、シリーズ最悪クラスの犯人の憎さが光る。
「武器を密輸し戦争に加担し、私腹を肥やす」というのは、旧シリーズのラスボスであるジョー・デブリン(武器密輸)と、序盤の強敵であるホリスター将軍(権力乱用、私腹を肥やす)を合わせたような悪辣さではないだろうか。
ベッドシーンはあるにはあるが、これくらいならまだ何とか我慢できる範囲内だろう。
また、シモンズ編全般に言えることだが、謎解きが分かりやす過ぎる&簡単に、というかお粗末に証拠を集められ過ぎている。今回は特にそれが目立った。具体的には、グラスと歯ブラシで瞬時に逢引き相手を見抜く、コロンボの力ではなく検死で他殺と判明する、そして秘密ファイルの入手法が一番ひど過ぎる。あれはギャグなのか?

50 殺意のキャンバス
旧シリーズ後半から10作(多っ)続いた、シモンズ編の最終作。
シモンズの趣味がこれでもかというほど塗り込まれている。
独特すぎる動機解明に重きを置きすぎて、ミステリ的な完成度はあと一歩というところだが、「こだわって作ってる感」はあり、上質で魅力がある。
特に天才画家という犯人像は斬新で魅力的だった。
これほど豪快な犯行(誰が見ているかもしれない、白昼の海の凶行!)は、同じくワイルドな芸術家であるトミー・ブラウン以来か。
女性たちの描写は良く言えば個性的、悪く言えば口汚く品性に欠けた。恐らくはこれも製作者の趣味だろうが。
ヴィト・スコッティの久々の登場や、華々しい画作りなど、評価できる点はいっぱいある。
悪夢のシーンは前衛的過ぎて…しかも英語のジョークなので、日本人視聴者にはわかりにくかっただろう。

冒頭の犬のシーンは本筋と何の関係も無くない!?と思われがちだが、
実はこのやり取りは「飼い犬に手を噛まれる=嫉妬=バーシーニ家で起きたことの暗示」という意外にも重要な意味があった。
冒頭でコロンボが言及した「愛」が、そのまま今作のテーマになっているとも言える。
また、中盤の犬が海を眺めるシーンは、シモンズ編第1作『死者のメッセージ』とまんま同じ構図であり、シモンズ編の締めくくりとして意図的に入れられたとも考えられる。

シモンズ10作品のうち9作品(性的な『幻の娼婦』だけはやはり認めたくない…)は、本来のコロンボらしさからは離れているもののどれも独特な魅力はあった。
ありがとう、シモンズ。きみが居た頃はまだ良かった。新シリーズ後半の酷さと言ったら…!

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