スレ一覧
┗
363.映画総合スレッド
┗459
459 :げらっち
2025/03/04(火) 00:01:54
49 迷子の兵隊
これもシモンズ編特有のリッチな雰囲気が味わえる佳作。
パジェット将軍の貫禄と、シリーズ最悪クラスの犯人の憎さが光る。
「武器を密輸し戦争に加担し、私腹を肥やす」というのは、旧シリーズのラスボスであるジョー・デブリン(武器密輸)と、序盤の強敵であるホリスター将軍(権力乱用、私腹を肥やす)を合わせたような悪辣さではないだろうか。
ベッドシーンはあるにはあるが、これくらいならまだ何とか我慢できる範囲内だろう。
また、シモンズ編全般に言えることだが、謎解きが分かりやす過ぎる&簡単に、というかお粗末に証拠を集められ過ぎている。今回は特にそれが目立った。具体的には、グラスと歯ブラシで瞬時に逢引き相手を見抜く、コロンボの力ではなく検死で他殺と判明する、そして秘密ファイルの入手法が一番ひど過ぎる。あれはギャグなのか?
50 殺意のキャンバス
旧シリーズ後半から10作(多っ)続いた、シモンズ編の最終作。
シモンズの趣味がこれでもかというほど塗り込まれている。
独特すぎる動機解明に重きを置きすぎて、ミステリ的な完成度はあと一歩というところだが、「こだわって作ってる感」はあり、上質で魅力がある。
特に天才画家という犯人像は斬新で魅力的だった。
これほど豪快な犯行(誰が見ているかもしれない、白昼の海の凶行!)は、同じくワイルドな芸術家であるトミー・ブラウン以来か。
女性たちの描写は良く言えば個性的、悪く言えば口汚く品性に欠けた。恐らくはこれも製作者の趣味だろうが。
ヴィト・スコッティの久々の登場や、華々しい画作りなど、評価できる点はいっぱいある。
悪夢のシーンは前衛的過ぎて…しかも英語のジョークなので、日本人視聴者にはわかりにくかっただろう。
冒頭の犬のシーンは本筋と何の関係も無くない!?と思われがちだが、
実はこのやり取りは「飼い犬に手を噛まれる=嫉妬=バーシーニ家で起きたことの暗示」という意外にも重要な意味があった。
冒頭でコロンボが言及した「愛」が、そのまま今作のテーマになっているとも言える。
また、中盤の犬が海を眺めるシーンは、シモンズ編第1作『死者のメッセージ』とまんま同じ構図であり、シモンズ編の締めくくりとして意図的に入れられたとも考えられる。
シモンズ10作品のうち9作品(性的な『幻の娼婦』だけはやはり認めたくない…)は、本来のコロンボらしさからは離れているもののどれも独特な魅力はあった。
ありがとう、シモンズ。きみが居た頃はまだ良かった。新シリーズ後半の酷さと言ったら…!
[
返信][
編集]
[
管理事務所]