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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗100

100 :げらっち
2024/05/10(金) 12:04:24

 一塁が無いため私たちは点を取れない。
 ホームランジャーは舐めプをしどんどん回が進んでいく。
 4回表までゲームは進んだ。このままでは33対0で負けてしまう。

「どおりゃあ!」
 公一は何とかボールを打つも、フライに終わりワンアウト。

 ベンチにて。
「どうすんの七海ちゃん? このままじゃ負けちゃうよ!」
「そうだ、良いこと思いついた」
 私は楓の耳に、ひそひそと作戦を教えた。
「あっいいねぇ七海ちゃん!」

 楓が打席に立つ。
 相手を甘く見ている野中により甘々のボールが投げられた。楓はそれを引っかけ、ボールは一塁方向にぼてぼてと転がった。イエローファーストがそれをキャッチするも。
 楓はその隙に、二塁方向に全力でダッシュしていた。予期せぬ事態にホームランジャーは唖然として対応できない。
 楓がピッチャーマウンドの傍を走り去り、野中は驚いてバタッと倒れた。
「いえーい! 二塁到達!!」
 楓は二塁から手を振っていた。私も手を振り返す。一塁を省略して直接二塁に出るというのが、このゴミのような野球の攻略法だ。

 倒れていた野中は、腹筋のストレッチをするように、グググと上体を起こした。
「舐めやがって、コボレンジャー。ホームランジャーの本気を見せてやる」


 そこからが地獄だった。
 楓は調子に乗って盗塁しようとしたところを刺され、豚も打ち取られた。
 本気を出したホームランジャーはパカパカとホームランの大安売りで点を取った。他方、私たちコボレンジャーは全てのイニングを三者凡退で終えた。


 9回表。

 99対0。

 この回で100点取らなければ私たちの負け。コボレンジャーの戦ー1敗退が決まる。
「やばいやん! 天堂茂にあんなビッグマウス叩いてここで負けるとか最低や! 何か作戦があるんやろ七海?」
「別にないよ」
 公一は口をあんぐりこと開けた。
 野球の上での作戦は、何も無い。
 すると、ずっとベンチに座っていた佐奈が言った。
「あのさ七海さん。暇だから《週刊☆戦隊学園》のバックナンバーを読んでたら面白いものを見つけたんだけど……」
「ほい?」
 私は佐奈の差し出した冊子を見た。そこには《夏の夢、無残に散る!》と書かれていた。
 にやり。
「確かに面白い記事だね。お手柄だよ佐奈」
「わかってるね七海さん」
 私と佐奈は、くひくひと女のゲス笑いをした。
「それのどこが面白いブヒ??」
「女って怖いねんな」

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