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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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103 :げらっち
2024/05/11(土) 10:07:00
「棒術トルネード!!」
トルネマゼンタは2本の棒を取り出し猛回転した。
「かちあげローリング!!」
ヨコヅナレッドもコマのように回転。
ベーゴマの様に何度も何度もぶつかり合い、不協和音を奏で拮抗した末、両者仲良く弾け飛んだ。
やれやれ。これだから脳筋共は。
「バッハッハ! くだらない争いだな。これこそ恥の上塗りだよ」
成人男性の声がした。中年を想起させる、低くて太い声。燕尾服を着た男性が座っていた。♪マークの書かれた箱を被っており、素顔はわからない。
スペシャルクラス首席・半部果て菜(はんべはてな)だ。あのクラスは芸術家気取りを初め、風変わりな奴らがそろっていると聞く。彼は食事に一切手を付けていない。
「コボレンジャーを潰したいんだろ? じゃあそれについての議論をしろよ」
「……わたくし的には」
魔法クラス首席・金閣寺躁子。
金髪で、巫女の衣装のよく似合う、学園有数の美女。ソースで汚れた口をナプキンで拭いた。
「あまり乗り気じゃないですね。小豆沢七海は魔法クラスのかわいい後輩ですものね」
ほう、笑えることを言うな。
「そうでぇす!」
金閣寺の隣に座すのは、生物クラス首席・PP(パンダパンダ)チョウスキー。
パンダのキグルミに身を包んだ男。半部果て菜とは違う意味で異様だ。何故か笹の葉を持ち込んでいる。
「生物クラスは今、戦隊動物園のオープンに尽力でぇす! あなたのおままごとに付き合っている暇はありませぇん!」
何ともフザけた奴らがそろっているな。
「談合は禁止されているし、そんなことで戦ー1を勝ち上がっても意味は無いだろう」
化学クラスの新藤へテロ。
2年にして首席を務めているからにはそれなりに頭が回るのだろうが、このような場にまで汚れた白衣を着てくるとは教養が無い。
くちゃくちゃと咀嚼音を鳴らし、けらけらと笑った。
「俺様は抜けさせてもらうぞ、坊ちゃん」
「黙れ」
僕は少し前のめりになった。
おフザけもそこまでだ。あろうことか小豆沢七海の肩を持ったり、離反する者まで現れるとは。
僕が誰だか理解しておられないようだ。教えてあげなくてはな。
「わかっているだろうが、僕の父上は、本学園の理事長も務められているのだぞ!!」
首席たちは黙り込んだ。
「小豆沢七海はこの僕を差し置いて入学生の代表に立ち、けしからんスピーチをした学園の穢れだ! 滅菌消毒してやらねば気が済まん!! 奴を潰せ! コボレンジャーを潰せ!! 見つけ次第ペチャンコに潰せ!!!」
僕は「ブレイクアップ」と唱え、真っ赤なエリートワンに変化し、両の拳で机を叩いた。火柱が天井まで立ち上がり、首席が2人ほど椅子から転げ落ちた。
おっと高揚してしまったな。僕は椅子に深くもたれかかり、場をリラックスさせるべく言った。
「……どうした? もっと気楽にしていいぞ。僕は先輩方の自主性を尊重するつもりですからね。これは命令ではない。僕からの、ただの《お願い》だ」
首席たちは更に縮こまってしまった。
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