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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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118 :げらっち
2024/05/11(土) 11:01:00

 僕はそのまま校舎の屋上に辿り着いた。運がいい。
 餃子の皮のように僕をくるむふわふわの布団を引き剥がし、校内に入る。まずはエリートファイブの仲間を探そう。

 しかし屋上にも小豆沢七海狙いの戦隊が待ち構えていた。
「コンパスミサイル!」
「分度器カッター!」
「ホチキス機関銃!」
「えんぴつけずりブラスター!」
「穴あけアッパーパンチ!」
 文具を構えるあいつらは見覚えがある。僕と同じエリートクラスに所属する1年、文具戦隊モノレンジャーだ。
「無能な奴らめ! 首席である僕がわからないのか!! ファイアペンシル!」
 僕は炎のペンで全員に赤点をくれてやった。
 折り重なり倒れる雑魚共は無視して、階段を降りる。ふぅ、少し汗をかいた。蒸れてきたし、変身を解除する。

「あらぁ、また会ったわね。小豆沢サン」

 踊り場に女の姿があった。姿見に背中を持たせかけている。
 あいつは金閣寺躁子!!
 金閣寺は僕にすり寄り、行く手を阻むように立った。

「どけよ。僕の邪魔するな」
「へぇ、口調がいつもと違う感があるわね。ボクっ娘になったの? それもキュート感があって、好みよ!」
 何言ってるんだこいつは。
「スマホを消す魔法、傑作だったわ。ところで、あなたを狙っている戦士が多数居るわ。でも殺し屋はお昼になればもう来ないわ。何故だかわかる?」
「殺し屋だと?」
 意味が解らない。
「ブッブー。外れです。頭の柔軟感が足りていなくてよ」
 外れも何も答えていないし答える気も無かったのだが。
「答えは……アサシンは朝死んだ、なのよ。おわかり? ハイセンス過ぎて通じなかったかしら? ア~っはっはっ!! あさしんはあさしんだ、ギャッはっはっ!!」
 何だこいつは気持ちの悪い。なまじ美人なので余計に。
 口の端から泡を垂らし、お腹を抱えて笑う女を無視して階段を降りようとすると、後ろ髪を掴まれた。

「待ちなさい。あなたはお尋ね者なのよ。あなたの庇護者であるわたくしまで白眼視されているわ。でもそんなことはいいのよ。それよりわたくしは、あなたが欲しいのよ」

「は?」
 何だこの変質者は!!
 逃げようとすると、金閣寺は僕の髪を力いっぱい引っ張った。

「いい加減よこしなさい!!! 髪の毛を!!」

「いっだだあああああああああああ!!??」

 白い毛がブチブチと頭皮から引き剥がされた。100本は抜かれただろうか。


 毛を抜かれまくり、髪はボサボサになっていた。
 しかもスポコンジャーやドスコイジャーの攻撃によって体中に青痣ができているし、日光に当たった肌は発赤しているし。満身創痍だ。
 まあいいさ。これは小豆沢の体だ。僕の体にさえ傷が付かなければいいのだ。元の体に戻った時、小豆沢が痛みに苦しめばいい。

 僕は廊下を歩く。エリートファイブの仲間たちはどこだろう?
 すれ違ったデブ女に尋ねてみることにした。
「おいお前。名前は何だ」
 女はビクッとして、答えた。
「斎藤です」
「そうか。斎藤、エリートファイブを見かけなかったか? 学年で1番優秀な戦隊だからお前の様な庶民でも知っているだろう」
 斎藤は鼻をつまんでいた。僕の体に付いたラフレシアの匂いを気にしているな?
 斎藤はモジモジしながら、「多分、食堂に居たと思うけど……違ったらスイマセン」と言った。パッとしない奴だ。

 今はお昼時だから、エリートファイブの仲間たちは食堂に居るようだ。

 僕は学生食堂に到着した。
 ここに来るのは初めてだ。いつもはお金を払って自室に高級料理を届けさせているからな。お抱えの三ツ星戦隊シェフレンジャーの料理を。
 こんなタダで食べられる三流食堂の飯は不味いのだろうが、とにかく入ってみる。

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