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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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127 :げらっち
2024/05/11(土) 11:38:30

 僕は池から這い上がり森に逃れた。

「逃がすか! なみつなみ!!」

 伊良部は池の水を吸い寄せて森の中に大波を起こした。
 さっきは油断していたが、既に見切った。あいつの技はワンパターンだ。近くにある水を力任せに投げ付けているだけだ。あんなものは魔法とも言えまい。
 やはり、落ちこぼれだな。

 僕は木の陰に隠れた。足元に波が押し寄せ、そして引いた。その瞬間に木陰から飛び出し奴に標的を定め、パンと手を叩く。
「火炎タッピング!」
 伊良部の立っている地面が破裂した。青い戦士は手足をばたつかせて飛んだ。間抜けめ。
「ファイアペンシル」
 炎の鉛筆で採点してやる。
「✕、✕、✕! 全部✕! 赤点にも及ばぬ最低点!」
 空中に十字の炎が走り、奴は火にまみれて地面に落ちた。
「あぐう!」
「とどめを刺してやろう。落ちこぼれ1人かたわになったところで、父上に頼めば、訓練中に起きた事故とでも、何とでも揉み消せるのだからな。ファイアイレイザー!」
 僕は炎の消しゴムを装備した。
「消え失せろ」
「やめろ!!」
 硬い物が一直線に飛び、僕の手を直撃した。
「ぐう!」
 僕は消しゴムを取り落とした。炎は足元の草を燃やした。
 手の甲に卍手裏剣が突き刺さっていた。僕はそれを引き抜き捨てた。血が滴る。
 声のした方を見ると、森の緑にまみれ、木の上に緑の戦士が居た。江原公一か!
「邪魔をするな。落ちこぼれは何人そろっても落ちこぼれだ。焔上(えんじょう)!」
 僕が手を上げると、奴の居た木が炎に包まれた。
「あっちゃ!! 殺す気か!」
 江原は木から飛び降りた。木は業火に焼かれ、一瞬にして炭化した。

「大丈夫かブヒ~!」
 ドスドスと、大柄なピンクの戦士が現れた。あの豚か。
「どうなってるの伊良部さん?」
 豚の後ろには小柄な黄色の戦士も居た。こっちは鰻だろう。

「公一くんさっちゃん豚! あの七海ちゃん偽物だった! 天堂茂の変装だよ!!」

「うん。まあ薄々気づいてたけどな」と江原。
「あ、うちも気付いてた。性格全然違うし。七海さんも性格きついけど、あそこまで、カスじゃない」と鰻。
「え~~~!! そうだったの! 全然気づかなかったブヒ!!」
「あほかお前は!」
「駄目な豚だね」
 江原と鰻の叱責を受け、豚は縮こまる。


 コボレンジャーの4人がそろったか。
 よし、良いことを思いついたぞ?
 ここで4人とも消してやろう。
 そうすれば、小豆沢が仲間割れを起こし、4人の仲間に手を出したということになる。
 その後で、僕の体を持つ小豆沢を見つけ出し、自分の体を取り戻し、自身の体に戻った小豆沢に罪を擦り付け、破滅させる。
 元々小豆沢は問題児と見られていたわけだし、無能な教員共は小豆沢を犯人と見て疑わないだろう。例え疑う者が居ても、父上の力で黙らせる。

 やはり僕は天才だな。

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