スレ一覧
┗
380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
┗158
158 :げらっち
2024/06/01(土) 13:09:48
『それでは試合開始デス! アーミーロボvsジュウキオウ、勝つのはどっちだ?』
試合開始のゴングが鳴ったが、勝敗は既に見えていた。
ジュウキオウはアーミーロボの2倍、約30メートル。中央校舎10階に届くほどのタッパがあり、どんなに高い棚の本でも台を使わず取れそうだ。
オマケに「ジュウジュウジュジュウ~ジュウキマン~」と、ジュウキマンのテーマソングが流れた。「地盤を貫く~~建設の刃!!」
それでもアーミーロボは強大な敵に立ち向かった。
アーミーロボは私たちに後ろ頭を見せ、小銃でジュウキオウを射撃する。パンッ、パンッと弾が直射する。ドーザブルの硬いブレードは、ライフル弾を簡単にはじいた。
ジュウキオウはじりじりと前進してくる。アーミーロボはダガーナイフを装備し、持ち前の俊敏さを活かし、跳躍した。しかし。
『ショベルアッパー!』
ジュウキオウの上半身が一回転。鋼鉄のショベルがアーミーロボの華奢な身体を叩き、吹き飛ばした。
「こっちに来る!」
私は楓たちを窓から引き剥がし、伏せさせた。
アーミーロボは私たちが身を乗り出していた部分の壁に激突し、建物全体が大きく揺れた。
倒壊どころか窓1枚割れないあたりは、流石は戦隊の養成学校である。私は窓から下を見た。アーミーロボは校舎にもたれかかるように倒れていた。
『お~っと、これは痛い一撃! アーミーロボ、大丈夫デショウか!? 学園中から失意と落胆のため息が聞こえマス!』
アーミーロボは何とか立ち上がった。
『戦ー1優勝するのはアーミー電兵隊だ。どうぞ』
しかし既にガタがきていた。あちこちから火花が飛び散り、ぎくしゃくと動いている。敗色が濃い。
それでもジュウキオウは一切の容赦を見せなかった。
『クレーンキャッチ!』
クレーンが伸び、アーミーロボを釣り上げた。
『どどどどどうぞ』
ジュウキオウは上半身をぐるぐる回転させ、アーミーロボはヨーヨーの様に成す術なく振り回される。しまいに空中に放り出された。
『ああっ! アーミーロボ!』
生徒たちの悲鳴が漏れる。アーミーロボは最期の悪足掻きを見せた。空中で左腕を狙撃銃に変形させたのである。
『スナイパーライフル!』
でもジュウキオウの底力はこの程度では無かった。
『コンクリート砲!!』
ジュウキオウの右腕が大砲に変形し、ミキサー車のドラムからコンクリートの砲丸がドムッ、ドムッ、発射される。
1発目は外れたが、2発目が上空のアーミーロボにクリーンヒット。
アーミーロボは無残にも、空中でバラバラに破壊された。手足がに向こうの森に墜落し、爆炎を上げた。
巨大ロボはいとも簡単に消し飛んでしまった。
『解体完了』
ロボに乗り込んでいたアーミー電兵隊はというと、辛くも脱出したようである。空に5つのパラシュートが見えた。
校舎から一部始終を見ていた生徒たちは一瞬、沈黙していた。
非現実的な巨大兵器の衝突とその破壊力を目の当たりにし、呆然としていたのである。だが次の瞬間には拍手喝采が湧き上がった。
『す、素晴らしい! 戦隊学園の開発力が、ここまで進化していたとは! わたくしも感激デス! デザインジャー製にハズレなし! デザインジャーに兵器の注文が殺到するのは間違いありマセンねー! して、勝者は建築戦隊ジュウキマン! 素晴らしい戦いを見せた彼らに、拍手を!!』
スタンディングオベーションだ。
『この戦いはわたくしのYUTAチャンネルで見逃し配信する予定デスので、是非チェックを――』
[
返信][
編集]
[
管理事務所]