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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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19 :げらっち
2024/05/04(土) 14:06:58
ほどなくしてチャイムが鳴った。
筋肉ムキムキの男性教師が教壇に立ち、チャイムの演奏に合わせてマッスルポーズを取った。生徒たちから苦笑が漏れた。
「偉丈夫・美丈夫・大丈夫!! 今日もマッスル決まってる!! 本日の第二回新入生オリエンテーションは、この私が担当する!! みんな、おっはよーーう!!」
今日の担当はいつみ先生じゃないんだ。
何故か少し残念に思っている自分を見つけ、私は珍しく思った。
「よく眠れたか? 初めての寮の夜は、さぞかしドキドキだったろう! さて、顔や名前よりもこの雄大な筋肉で私を覚える子が多いようだが、一応名乗っておく。緑谷筋二郎(みどりたにきんじろう)!! 武芸クラスの担任だ!」
筋肉を隠しきれていないタンクトップ、緑のボンタン。ごつごつした顔に顎髭を生やし、頭頂部からは弁髪を垂らしておりそれ以外の髪は剃ってスキンヘッドにしている。
暑苦しいが、あの男のイロは、大人しめの深緑だ。堅実なのがうかがえる。
すると前のほうに座っていた生徒が質問した。
「先生。クラスって何ぴよ?」
「ほほう。よくぞ聞いてくれた!!! 良い質問だ!! 知的好奇心も筋肉も、磨けば光る!」
先生はいちいちマッスルポーズを取って喋った。
一部の女子がキャーキャー言っているが、2割はムキムキに対する黄色い歓声、8割は本当の悲鳴と見た。
「一口に戦隊と言っても、様々な分野で戦うチームがある! 何かを深く極めること、それが戦隊道の第一歩だ!! この学園には9つのクラスがある! 順番に書くので、メモするなり、頭のメモリーに刻み込むように!!」
先生は大量のチョークを教卓の上に置くと、「ふん!」と拳を振り下ろし、粉々に砕いた。
そしてそれを手のひらに付けると、黒板に手で豪傑に文字を書き出した。チョークの無駄だし、手が汚れるし、字が悪筆で読みにくい。
だが何とか判読できた。
格闘
化学
武芸←私のクラスだ!!
機械
生物
魔法
忍術
スペシャル
「まずはお試し月間となる。その間はどのクラスの授業を受けてもOKだ! 4月末には希望のクラスを決定してもらう! 一度決めたら変えることはできないので、よぉーく考えて選ぶように!!」
あれ?
先生は9つのクラスがあると言ったのに、ここには8つしか書かれていないような……
すると突如。
ジリリリリ!!!!
ベルが鳴った。穏やかではない。先生はうわっと大袈裟に叫んで身を縮こまらせた。
教室中がざわつく。何だ?
『緊急事態発生。緊急事態発生。学園内に怪人が侵入。西校舎に接近している模様。教職員戦隊、及び、覚悟のある学生戦隊は、臨戦態勢を取るように。非戦闘員はただちに指定の避難場所に退避せよ。繰り返す――』
西校舎といえば、ここだ。
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