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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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205 :げらっち
2024/06/08(土) 00:16:41
「じゃあこれならどうだ? オイラ、ここで住み込みで働くよ。皿洗いから便所掃除まで何でもするぜ!」
おっさんは受付から乗り出して、オイラを品定めした。
「お前みたいな坊主が? 何歳だ?」
「15歳」
「そうか……まあギリギリいいだろう。その代わり、少しでも使えないと判断したら、即追い出すからな」
「サンキュー! 懐広いねおっさんは。ヒゲもかっこいいし」
「冗談言うな」
と言いつつおっさんはちょっと照れていた。此のご時世、人と冗談を言い合う事などまず無いのだろう。
おっさんは紙を出した。
「ここに名前を書け」
オイラは置いてあったペンで署名する。
星十字凶華
「星十字!!?」
それでおっさんの顔色が変わった。
「星十字って、あの星十字か?」
髭で隠れているものの、肌は確かに紅潮している。
それと同時に、異臭がしてきた。
「あの星十字だぜ。星十字にあれもこれも無いけど」
「ふざけるな!!!」
おっさんはオイラのサインを破り棄てた。
「さっさと出てけ、さもなきゃご近所戦隊に通報するぞ!」
おっさんは黒電話を握り締め、ダイヤルを回し始めた。
「そっか。おっさんも、オイラを対等に見ちゃくれないんだな」
プスプスと、魚が焦げるような、嫌な匂いが立ち込めている。
[カカカカカッ!!!]
「うわあああ!!!」
おっさんは受話器を放り投げて尻餅を突いた。オイラが振り向くと、入り口から巨大な顔がこちらを見ていた。中年男性の顔で、斜視気味の垂れ目、ところどころ茶ばんだ肌、乱杭歯、頭髪は黒い頭巾に覆われているも、薄いと思われた。
[カカカカカカカカッ!!!!!]
巨大な顔は歪な笑い声を上げ続けた。
「ひいいいいっ!! ほ、星十字軍が怪人を連れて来やがった!! や、やめてくれ!! 有り金全部あげますから!! な、何泊でも、お好きに止まっていいですから~!!!」
宿屋のおっさんはひれ伏して、ガクガクブルブル震えていた。
「……こんなくっせえ所、二度と来るもんか」
オイラは踵を返し、巨大な顔の横を通り、店を出る。
[いいのか? 凶華]
「行くよ、黒ずきん」
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