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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗207

207 :げらっち
2024/06/08(土) 00:17:22

 [任せな]
 黒ずきんはその短足からは想像もできないような速さで地を駆けた。オイラは黒ずきんの頭にしがみ付いて居る。
「待てえ!!」
「往生際が悪いぞ!」
「そこの怪人、止まりなさい!!」
 戦隊は猟銃を持って追いかけてくる。だが。

「わ


 怒号は止んだ。
 振り向くと、戦隊の5人は、立ったまま静止し、彫刻の様に成り果てていた。レッドだけでなく全員が真っ赤に染まっていた。
 奴らは赤き地を踏んでしまったのだ。それだけで即死し、赤の一部になった。
 黒ずきんは赤き地を裸足で駆けていた。オイラは怪人である黒ずきんの上に居たので、赤の侵食を受けずに済んだ。もし黒ずきんの頭から落ち、オイラの指1本でも赤に触れたら、オイラも死ぬ。そう思うと心臓がおへその辺りまで落っこちるような恐怖を味わった。

「恐怖、スリル、イイ味だ」

 オイラは唇を舐めた。


 やがて赤く塗られた箇所から抜けて、緑の地に着いた。ここなら大丈夫。オイラは久々に地を踏んだ。
「ふー。ありがとな黒ずきん!」

 [お互い様だ。怪人である俺と行動を共にする人間など、お前しか居ない]

 もう日も落ちてきた。
 夜になる前に食糧と寝床を確保しなくちゃな。
「あ~、ハラペコ限界だぜ。ここら辺の草は喰えるのかな?」
 [草ばかりじゃ味気無い。手分けして動物を探そう]
「よしきた」
 黒ずきんは、自身は何も食べないでも活動できるにも関わらず、オイラと一緒に食糧を探してくれる。
「この大木が目印な!!」
 オレンジ色の空を覆い隠すほど巨大な木。その洞は、顔のように見えた。これなら覚えやすい。

 オイラと黒ずきんはグータッチ。
 黒ずきんは手が無いので、片足立ちし、もう片方の足を丸めてタッチするのがお決まりだった。

「じゃあまたあとでな!!」

 オイラは手を振って黒ずきんと別れた。

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