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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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220 :げらっち
2024/06/08(土) 12:23:04
「凶華がどんな性別であれどんな生まれであれ私がこの犬を仲間認定したんだからそれで決まり!」
「うーわ、暴君や。コイツの亭主になる男は一生尻に敷かれる覚悟をせなアカン」
私は柏手を打つ。
「一緒にご飯を食べれば友達! 早く食べよ、腐っちゃう!!」
「七海ちゃんがそう言うなら文句はないブヒ。頂きます!!」
豚はハンバーガーをもぐもぐ食べ始めた。
楓はわたわたしていたが、改めて凶華に質問した。
「あ、しっつもーん。人から感じる匂いってさ、ご飯の匂いとかとは別なの?」
「そうだなー。別っちゃ別だし、同じっちゃ同じ」
凶華のその回答は、なんとなく理解できた。
私も、景色の覚知と、共感覚としてのイロの認知を、同じ視覚情報として扱っている。それでも別のものだとは理解できているし、切り離して捉えることができる。
凶華は私と同じ、共感覚の持ち主だ。
だから私はつい、この犬に愛着を感じ、世話を焼いてしまっているんだな。
なんてことを考えていると、楓たちが凶華相手に自己紹介をしていた。
「あたし伊良部楓! よろ!」
「じゃあお前はカエだな!」
「カエ? うわ、かわいいあだ名考えてくれてありがと!!」
「僕は大口序ノ助ブヒ!」
「お前は豚だな!」
「それはみんなと同じ呼び方ブヒ……」
私がハンバーガーを5つ平らげた頃には、凶華は楓たちと打ち解けていた。
「ねえ、戦隊学園に来る前はどうやって暮らしていたか、詳しく話して貰いたいんですけど……」と佐奈。
「前のガッコに入る前は、《外の世界》でブラブラしてたぜ! シティの奴ら、オイラの名前を聞くと出てけって言うんだもん」
「そ、外の世界で生きてきたんですか!?」
「ああ。野宿とかしてたぜ」
「た、逞しいですね……」
焚き火の傍で野宿している凶華の姿が、何故かありありと想像できた。
「前のガッコってどこブヒ?」
「ビラ校!」
「な、何やて!?」
「ビラ校って何? ビラビラ高校?」
「伊良部さんそんなことも知らないの?」
「そんなことも知らなくて、悪い?」
「あのね、ビラ校はヴィランズ高等学校のことですよ。戦隊学園とは真逆の悪の養成学校で――」
ちなみに私のお気に入りは、カレーバーガーだ。
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