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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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225 :げらっち
2024/06/08(土) 12:24:37
翌日は昼過ぎからの授業で、午前は暇だった。
私はむしゃくしゃしたので髪をバサッとやった。胸に届くくらい伸びていた白い髪が、肩に掛かるくらいになった。これから夏だし、だいぶさっぱりした。
別に失恋のショックではない。
ゼッタイに違う。
自室にて。
「七海ちゃん、髪切った?」
髪が切られていることは一目見ればわかるのに、わざわざ言質を取ろうとしてくる愚かな楓には愛の返答を。
「私は切ってない。切ったのは美容師さん」
「うわー、くっさい屁理屈だ」
楓は臭気を払うジェスチャーをした。
美容戦隊オシャレンジャーという学園専属の職業戦隊が、無料で生徒の髪を切ってくれるのだ。
「よっしゃ、あたしも今日髪切ろ! 七海ちゃん付き添って!」
「暇だからいいよ」
右手に日傘を装備、左手で楓と手をつなぎ、アウトレットを歩く。
学生銀座に立ち並ぶ店は盛況で、「アルバイト募集中!」などという看板も見られた。生徒は学内でバイトをしてお金を稼ぐことも可能なのだ。
美容院に到着。
楓は「たのもう!」と勢いよく扉を開けた。
するとオシャレッドが言った。
「あらぁ~、ごめんなさいねえ。うち今日から料金とらなきゃいけなくなったのよねえ。増税とかで」
「まじ? じゃあ切るのやめよ! 七海ちゃん払ったの?」
「え、私払ってない」
「ごめんねぇ~、七海ちゅわん。さっき請求し忘れちゃったのよねえ。800円払ってもらうわよぉん!」
「高!!」
私はずっこけた。こんなの後出しじゃんけんだ。先に言ってくれれば切ってもらわなかったのに……
オシャレッド、憎い男だ。
やむなく800円を払って退店すると、他の店もザワついていた。
「オイ! なんでレッドブル値上げしてんだよ!!」
「ノートくらいタダにしてよ! 勉強に必要じゃない!」
「仕方ないんですよ。首席会が増税を決めたので……」
突然の増税、増税、増税。
天堂茂のことは増税メガネと呼ぶことにしよう。
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