セブンネットショッピング

スレ一覧
380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗23

23 :げらっち
2024/05/04(土) 14:23:19

「先生!!」

 私は走っていた。怪人は倒され、校庭の火事も火消し戦隊ショウボウジャーによって鎮火された。
 生徒たちはオリエンテーションに戻ったが、私はどうしても、先生に一目会っておきたかった。
「七海ちゃん! 戻ろうよ!」
 楓が追ってくる。
 私は廊下を走り、階段を上がり、ついにいつみ先生に追いついた。

「いつみ先生!!」

 いつみ先生は私の声に気付き、振り向いた。

「七海。大事な授業があるだろう?」

「で! でも! これだけ言いたくて!」

 私は階段の踊り場で、息を整える。先生は階段の少し上から、私を見下ろしている。

「私、絶対に虹を完成させます。ありがとうございました」

 私は深く頭を下げた。
 私は、何をしたいのだろう? 感情的になるなんて、あなたらしくないよ七海。でも、どうしても言いたかった。
 何に対してのお礼かと、不審に思われたかもしれない。頭がおかしい奴と思われたかもしれない。
 でも、あの戦いを、あのイロを見た時、私の中に決意が射し込んだんだ。

「先生自身が虹のようでした。見せてくれてありがとうございます。私もあんな虹になります」

 顔を上げると、いつみ先生は、子供のように笑っていた。

「出色だね、小豆沢七海」

「本当にすごかったよね、七海ちゃん!」
 楓が私に追い付いてきて、私の腰をバフっと叩いた。
「七海ちゃんの言う通り、7人のメンバーを集めてあたしたちだけの虹を作っちゃおう!」
「おやおや、早速2人目のメンバーが見つかったかい♪ あとたったの5人だね!」
「からかわないで下さいよ先生! 5人ってめちゃ多いじゃないですか!!」
 いつみ先生と楓はふざけた会話をして笑っている。

 私もちょっとだけ笑った。本当に虹が見られる日も訪れるかもしれない。


 すると、階下から声がした。

「くだらん。新入生向けの、ただのパフォーマンスだ」

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP