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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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239 :げらっち
2024/06/10(月) 12:43:43
――第2位、銀賞は、格闘クラス・双子戦隊ツインレンジャーの、アニレンジャー&オトレンジャー!! 完璧にシンクロした動きで我々を虜にしてくれマシタ!
――そして第1位、ゴールド金賞は!! クラス混合・虹光戦隊コボレンジャーの、コボレイエロー&コボレピンク!! 完璧なシンクロだけが華ではありマセン! 小さな黄と大きな桃!! 凸凹コンビによる黄金律、調和がお見事!! かくして、優勝はこのペアデス!! 盛大な拍手を!!!
「え、いいじゃん」
「良くないの!!」
佐奈は黒い靴下で床をダンッと踏んだ。
「小さな黄、とか言われたのもムカつきますし結局周りはうちらのことを凸凹コンビとしか見てないんですよ。小さい奴と大きい奴が一緒に居る、面白いね、ハイ優勝ってわけ。それ以外の所なんて1つも見てない。あの豚と居る限りうちは《小さい方》でしかなく余計に小さく思われる。うちが欲しいのはそういうのじゃない。小さいのと大きいのじゃなくてうちと対等な存在になれるそういう白馬の王子様に来て欲しい訳ですよわかる?」
それじゃ、周りの評価を気にしてるだけじゃないか。そう言おうとしたけどまた逆鱗に触れそうなのでやめた。
コンプレックスは人それぞれだ。確かに私も、公一が黒人で、白黒コンビとか言われたらどうかと思うだろう。
「だからね、うちは豚とは別れようと思うんですよ」
佐奈はパソコンをコツコツ叩いた。
「え、それは困る。佐奈も豚もコボレの仲間であり、大きな戦力だ。居なきゃ困るよ」
「別にコボレを辞めるとは言ってない。コボレ抜けたらうちの居場所なんてどこにも無いですし……ただ、豚とのコンビを解消するってだけ。今日の巨大化戦もすごかったじゃーん。七海さんの方がメカノ助を自在に操れるみたいじゃん?」
佐奈は座って、パソコンを開き、マウスをカチャカチャといじり出した。
「覗かないでよ?」
「勿論」
次覗いたら絶縁される。その代わりに私は本棚を眺めた。ずらっと漫画が並んでいる。
「これ見ていい?」
「どうぞ」
私は無作為の1冊を手に取った。開くとキラキラの少女漫画だった。顎の尖った成人男性2人が、手を繋いで夜景の海を歩いている。何だこれ。たまたま数奇なページを開いてしまったのだろうか。だがそれは都合のいい解釈だった。他のページをめくっても大体同じような塩梅だった。
「……これってBL?」
「見ーたーな」
佐奈がすりすりと近寄ってきた。髪の長さも相まって結構恐ろしい。
「うちってBL症候群なんですよねぇ」
「あー、その病気なら私も中学の時に罹患したかも……」
「それならお仲間ですね♡」
佐奈の両眼がハートになった。
佐奈は私から本をひったくった。
「でもこの漫画打ち切りになっちゃったんですよね。ラストがどうなるかとっても気になるなる」
そのカバーを見ると、題名は『顎長男のラバーソール』となっていた。筆者はマンガピンクとなっていた。
佐奈はすごすごとパソコンの前のホームポジションに戻った。画面を見ながら「はぁ本当にどうするかなこれ」等と言っていた。
「パソコンで何してんの?」
「教えない」
「教えて」
「やだ」
「譲歩を」
「…………」
佐奈はしばらく私の顔を見つめた後。
「じゃあこの謎々を解いたら、七海さんにだけ特別教えてあげちゃう」
「わかった」
謎々はあまり得意じゃないけど。
佐奈は指を1本上げて。
「七海さん」
「私?」
2本上げて。
「ブラックアローン」
「ブラックアローン!?」
3本上げて。
「赤坂先生」
「いつみ先生?」
最後に佐奈は、自分の胸を指さした。
「そして、うち」
なんじゃそら。
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