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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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272 :げらっち
2024/06/29(土) 19:39:10
翌朝!
私たちは走っていた!!
「遅刻する~!!」
寮の前で6時半に集合する予定が、昨夜双六で遊び過ぎたがために全員が寝坊してしまい、そろったのが6時55分。7時のバス出発まで時間が無く、慌ててバスポイントに向かっているのだ。
戦隊学園の校外学習のことだ、遅刻した生徒は容赦なく置いて行くに違いない。
汗だくになり走る。バスが見えてきた。
「急げわおーん!!」
足の速い凶華が一番乗り。
「ほら早く早く!」
公一、私、私に引っ張られた楓、そして佐奈を担いだ豚が続いた。
ギリセーフ。
バスには既に他の戦隊と引率の先生たちが乗り込んでいた。早速のオチコボレムーブに対し、生徒たちは「何でこんな奴らが校外学習に……」とひそひそ話していた。
「ハラハラさせてくれるね♪」
いつみ先生は笑っていた。
「それじゃあ出発だ。席に着け!」
佐奈と豚、公一と凶華、私と楓のペアとなり着席。
バスは出発した。寮を離れ、坂を下って行く。
「みんな、リマインドした通りの荷物を持ってきてくれたよね?」
各人リュックを背負っていた。
「ダイジョウブヒ! 七海ちゃんからのメールを読んだブヒからね! でも念のためもう一度持ち物確認しておくブヒ?」
豚は慎重派だ。
「余計な事言うな豚。疲れたんだから休ませろ!」と佐奈。
「ブヒめんなさいブヒめんなさいブヒめんなさい」
バスは校舎の間を抜け、正門へ。
大きな正門は開け放たれていた。一時的に学園と外の世界がつながっている状態だ。私たちはこの脆弱な鉄の箱に乗って、外の世界に飛び出そうとしている。慌ただしさで忘れていた緊張感が胸にまとわりついた。
正門の横を見ると、前に学園内を彷徨った時に見た戦士の像が目に入った。あの時は暗くて色がよくわからなかったが、こうして見ると赤い戦士だった。それも見覚えがある。教科書で見たのを記憶していた。あれは戦隊の祖と呼ばれるゴリンジャーのレッド、アカリンジャー。
落合輪蔵校長先生の若かりし頃の変身だ。
年を取りながらも赤く燃え続け、後進の育成を見守る校長先生。純粋に尊敬できる存在だ。私は窓から見える赤い像に、頭を下げた。
「行ってきます」
バスは正門をくぐり抜け、《外の世界》に出た。
その瞬間、車内に居た戦隊たちは表情を引き締めた。やはり内と外では空気が異なる。
窓の外に広がる景色を見つめる。
木々が後ろに走り去って行く。パッと見は、学園内の森と大して変わらない。
だがここは人間の管理する学園とは違う。文明が緑化してできた、怪人が息を潜める未知の世界だ。既に私たちは怪人の縄張りに入っているようなものなのだ。
外の世界は、学園という小世界と地続きなようで、地続きでは無い。
学園は安全な家だ。嫌な奴こそ居るが、守りが強固なので、怪人が侵入してくることや悪の組織が攻め込んでくることは滅多に無く、命の危機はほぼ無い。
家から出るということは、危険に晒されるということだ。
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