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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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277 :げらっち
2024/06/29(土) 19:40:48
「我ら深海戦隊リュウグウジャーは水路を利用して学園を目指すぞ! 川を探せ!」
5人チームのリュウグウジャーは、早速森の中に進んで行った。
「飛行戦隊テンクウジャーは空を飛べるという強みがある! 空路なら最短距離で帰れるぞ! 行こう!」
あちらは3人チーム。背中から生えた翼をはためかせ、飛翔した。
スクリーンの近くには、コボレだけが取り残されていた。
「……で、コボレはどうすんの?」と楓。
「どうするブヒ?」
「どうしましょうリーダー!!」
凶華がキラキラフェイスで私を見てきた。
こういう時リーダーは、困る。
「う、うーん、バスで2時間も走ったという事は、学園は結構遠いだろうし……そもそも、私たちどっちから来たんだっけ?」
「……」
「方向音痴じゃない人手を上げてー」
「…………」
みんな黙りこくっていた。ダメだこりゃ。
学園の方角すらわからない。無闇に歩いても、反対側に向かって居たら意味が無い。
ヒントを貰おうにも、先生たちは雲隠れしてしまった。先生たちが居たとしても、手助けはしないだろうけど。
「他チームの後を付いて行くってのはどうブヒ?」
「何それプライドは置き引きに遭ったの? でも現状それが一番賢い方法かもですね……」
豚と佐奈がそう言った。
悔しいが、1戦隊だけではどうにもできない。レギュレーションは無いし、他戦隊の様子を見るのはアリか。
「まだ近くに居るはずだよな!」
「よし、探してみよう」
私たちは木の迷路を歩き、他戦隊を探すことにした。
しばらく歩くと、気配。木々の向こうから話し声が聞こえた。
「あ、誰か居るみたいだよ! もしもーし、一緒に行きませんかー?」
楓は無警戒に飛び出そうとしたが、佐奈がその口を押さえた。
「莫迦ですかあんたは。相手が誰かわからないでしょ。ここは外の世界、周りは全部敵自分は草食動物って思わなきゃすぐ死ねますよ」
「むぐ……」
私たちは茂みに隠れ、相手の様子を窺うことにした。
「茂さん、お父様に迎えに来て貰って下さいよ! こんな危険な所に生徒を放置するなんて、戦隊学園は狂ってます!!」
大凶中の大凶だ。
茂みの向こうに居るのは寄りによって、エリートファイブだった。
「ああわかっている」
天堂茂は赤いカバーで覆われたGフォンを取り出した。
「僕は将来、実戦で働く犬になるつもりはない。犬を動かす司令官になる器なのだ。だからしてこのようなサバイバルごっこは、無駄。それを父上に説明すれば迎えに来て下さるだろう。なぁに、表向きはエリートファイブは自力で一番に帰還できたという事にさせるさ。教師共は簡単に騙せるからな」
「さっすが茂さん!!」
「ヒューヒュー!」
相変わらず卑怯なエリートだ。
「ほんまどうしょうもない奴らやな。あんな奴らほっといて行こうや」と公一。
「そうね」
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