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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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291 :げらっち
2024/07/12(金) 20:47:27
「楓! どうして勝手に居なくなったりしたの!!」
「だ、だって! 街の奥なら使える物あると思ったんだもん……!」
「心配させないでよ!!」
私は友と抱き合った。
「おいおい百合は後にせえや!! まずはこの街から脱出や!!」
私、楓、公一は走る。街の至る所が燃えていた。
「ここは楓ちゃんの出番だよ! ウオデッポウ!!」
楓は変身し手から水を出すも、水鉄砲程度の弱い物で、鎮火の役には立たない。
「私がやる。フリーズ!!」
私は炎を凍らせて道を作った。
気動車が砲撃を繰り返し、車輪を回転させ街を蹂躙している。ビルに追い詰められたメカノ助は、満身創痍の青色吐息だ。
豚があの気動車を何とかしてくれないと、私たちは町から抜けられない。あの戦火の中を通り抜けるなど自殺行為だ。
救世主の音。
空の向こうから5色のジェット機が飛来し、ブルーインパルスのように、雲の足跡を残して旋回した。金属のぶつかり合う音。5つの機体が空中で合体し、巨大なロボが、街に降り立った。衝撃で私たちは跳び上がった。
『世界戦隊ワールドファイブ!! ワールドジェットロボ!!』
「プロ戦隊だ!!」
巨大ロボと巨大兵器が対峙する。ワールドジェットロボは両腕を合わせ銃の形にし、敵兵器を射撃した。
『セカインパクト!!!』
波動が一直線に気動車にぶつかった。炎に包まれる。
「今だ!」
私たちは巨人の足下を走り抜け、街から脱出。
リュックを置いておいた場所まで戻り、先に逃れていた佐奈・豚・凶華と合流した。
「無事で何よりブヒ!」
元の大きさに戻った豚は、半裸で、体のあちこちが煤けていた。
「そっちもね。よく頑張ったね」
私はその大きな腹を、ポンと叩いた。
私たちは街を見た。
既に火の海になっていた。気動車は燃えながらも車輪を回転させ進撃する。車体を覆う多数の砲門から次々に砲撃。
「あの兵器は何なん?」
「あいつは戦争機だな」
凶華は頭の後ろで手を組んで、吞気に言う。
「マシン兵団メカノイアが量産している兵器だぜ。1機でシティを制圧できるほどの強さがあると聞いたが、好戦できている相手のロボもメチャクチャ強いなー」
メカノイア……悪の組織の1つがお目見えになっていたとは。ていうかシティを制圧できるほどの強さとはエグいな……
ワールドジェットロボは炎の紅海を飛翔した。空中から戦争機を爆撃する。戦争機も抵抗しているが、ワールドジェットロボは機動力に長けており、勝敗は見えている。
やはりプロ戦隊は強い。皆、その光景に見とれていた。
ひときわ大きな破裂音がした。勝負が決まった。
戦争機が爆炎を上げ、バラバラに壊れていく。その断末魔と共に黒い弾が発射された。最期の足掻きは空中のワールドジェットロボに直撃した。
凶華が叫ぶ。
「あれはてつはうだ!!」
黒い弾はクラッシュした。その一撃でワールドジェットロボは四肢がもげ、木っ端微塵に吹き飛んだ。破片が落ちていく。
「ああ……そんな」
ロボの残骸は燃え盛るシティに落ち、炎と炎が合わさって1つになった。
5人の戦士も助かるまい。ここまでの人生も、訓練も、団結も、全て一瞬にして燃やされてしまった。
勝ちも負けも無い。両者共に滅んでしまった。これが戦争で、現実なのか。
「人間は、どうして戦争するの?」
私の言葉は、質問というよりは単なる呟きだった。宛先の無い問い合わせを拾い、凶華が答えた。
「深い理由なんて無いんだよ。子供のアソビとおんなじだ」
勝って嬉しい花いちもんめ
負けて悔しい花いちもんめ
隣のおばさんちょっと来ておくれ
鬼が居るから行かれない
お釜被ってちょっと来ておくれ
お釜底抜け行かれない
布団被ってちょっと来ておくれ
布団ビリビリ行かれない
あの子が欲しい
あの子じゃワカラン
世界が欲しい
世界じゃワカラン
戦争しよう
そうしよう
つづく
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