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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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302 :げらっち
2024/07/12(金) 20:59:00

「1つずつズレとるっちゅうことは、凶華が持ってきたのは生活品か?」
「いや、オイラが持ってきたのはこれだぜ!!」

 凶華はリュックの中から双六を取り出した。

「ぴぎゃ!!」
 私はズッコけた。一番要らない「娯楽」がダブってしまった。
 凶華だけはGフォンを持っていないので口頭で伝えたから、正しい荷物を持ってきたのだ。
「ってことは生活品を持ってきてくれた人は誰も居ないの!?」
「それなら大丈夫だぜ! 必要最低限の物はオイラが持ってきたから」
 凶華はリュックから小さな布の塊を取り出した。それを広げていくと、大きな寝袋になった。
 他にも懐中電灯や小さな鍋、ナイフやフォーク、コップなどが出てくる出てくる。やはり凶華は役に立つ。

「じゃあうちの電気魔法で紙相撲を燃やして火を起こしましょう」
「え! 折角作ったのに燃やすブヒ!? 七海ちゃん何とか言ってよ!」
「室内の火遊びは危険だから校庭で燃やしてきて?」
「ブピ~~!!」
「さっさと行くよ」
 佐奈と豚は教室を出て行った。

「公一と凶華は缶詰を開けられるか挑戦してみて」
「いいぜ! 缶蹴りで缶切りしよう! イチ、オイラたちも外に出ようか」
「イチって呼ぶな言うてるやろ。公一や!」
「高1の公一?」
「やかましい。はよ行くで七海の犬」


 室内には私と楓だけが残った。

「……よし、着替えていいよ!」
「えっ!」
 楓は私にウィンクした。
「誰か戻ってこないようにあたしが見張ってるから!」
 楓は扉を少し開けて廊下に頭を突き出した。
 楓にしては行き届いた配慮だ。私はいつみ先生から受け取ってリュックに入れていたパンツを出すと、急いで着替えた。

 さっぱりした。

「それじゃ私たちは教室を片付けて寝袋を敷こうか」
「りょ!」
 私と楓は机をひっくり返して他の机の上に乗せるという掃除当番の手法で机を片し、広いスペースを確保した。
 そこに凶華の持参した寝袋を敷く。寝袋は3枚しか無かった。
「微妙な数字だな……」

 性別ごとに分けるとすると、女性3人、男性2人、N性1人でバランスが悪い。

「豚は1人で1枚使うよねえ? あの巨体だし」
「そうなるな」
 では残り2枚でどうするか。
「あたしと七海ちゃんとさっちゃんで1枚、公一くんと凶華くんで1枚?」
「そうなるか」

 女子3人詰めは地獄だが、公一と凶華が1つの寝袋に入って寝ているのを想像すると、ちょっとだけ良い気分になった。
 私と楓は目線をかわし、ニヤついた。

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