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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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303 :げらっち
2024/07/12(金) 20:59:18
続いて荷物整理をする。
私は公一の武器を床に並べながら、楓に言った。
「さっきはありがとね」
「え? ああ、癒しの水? ぶっちゃけ自分でもびっくりした! 蘇生魔法なんて3年で習う単元だしあたしには絶対使えないと思ってたもん。七海ちゃんへの強い思いが奇跡を起こしたのかも?」
「それもあるけどさ、もう1つ」
楓は私の隣にしゃがみ込むと、「何の話?」という顔で私を見てきた。
「あれだよ、ブラックアローンの件」
「あたし特に何もしてなくない?」
「したよ、楓が助け船を出してくれなきゃ、ブラックアローンとのレスバに負けて私の船は沈んでた」
「海底に?」
私はこくんと頷いた。
「そう……かなあ。レスバは七海ちゃんの方が強いと思うけど」
「そんなこと無いよ」
私は公一の忍び刀、コウガを床に置いた。
「私、屁理屈なだけだからさ……あなたは短絡的だけどそういうのが強い時もある」
「あたしって頭悪いし七海ちゃんに助けられてばっかりで」
「それと同じくらい、私もあなたに助けてもらってるよ」
私は武器を置くと、楓の両手を包み、きゅっと握った。4つの手、20本の指が絡み合う。
「あなたのお陰でだいぶあったかくなったよ。いつもありがとう」
私は楓の顔を観察した。茶色いカチューシャを付けた黒髪、ベース型の輪郭、平々凡々なパーツ、どんぐりのような目に黒い虹彩。男子が採点すればどう足掻いても49点は超えなさそうな顔だ。それでも私は好きだ。観察に夢中で気付かなかったが楓も私の顔を見つめていた。ピタッと、目が合った。急にこっ恥ずかしくなった。
「やめてよ七海ちゃん。あたしのこと好きなのは知ってるけど公一くんに毒盛られる」
「じゃあやめる」
私は毒殺防止のため手を離した。
まだ少し温かい。
「あっつう! 体火照った! 夜風浴びよ!」
楓は教室を出て行った。
「どこ行くの?」
「屋上!」
「じゃ私も行く」
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