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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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324 :げらっち
2024/07/15(月) 16:28:24

「すりるすぱーく!!」
 [ギヤアアアアアアアアア]
 ミドリちゃんの顔が視界から消えた。
「ミドリちゃん!?」
 あたしが下を覗くと、ミドリちゃんはベッドから転落し、びくびくと痺れて倒れていた。
 その隣にコボレイエロー。
「楓さん大丈夫だった?」
 さっちゃんは両の手のひらから電流を出している。電気の魔法でミドリちゃんを失神させたらしい。
「さっちゃん何でここに?」
「すごい音がしたから助けにきました」
 さっちゃんの部屋はあたしと七海ちゃんの部屋のちょうど真下に位置し、梯子でつながっている。あたしが恐竜に襲われていると勘違いしたのだろう。
 あたしはベッドから飛び降りた。右足がズキッと痛む。無理は禁物だな……
 そんで叫ぶ。

「邪魔すんなよ、お楽しみタイムだったのにぃ!!」

「……は?」
 ゴーグルの下からさっちゃんの三白眼があたしを睨み上げていた。
「……アンタ正気?」
「正気のガチ恋! あたしのお婿さんになんてことすんの?」
 さっちゃんはドン引きという綱引きがあったら5年連続優勝できるような凄まじい顔をしてあたしと距離を置いた。
「えっきもい。コモンセンスが通じないとは思っていたけどここまでとは驚き呆れる」
「古門扇子って何? 豚と付き合ってる癖に」
「付き合ってない!!」
 さっちゃんは声を荒げた。
「とにかくそいつを匿うのは処罰の対象ですから」
「知ってるよ!!」
「知っててやってるの? なら尚たち悪い」
「関係ないじゃん! 部屋に帰ってよ。ハウス!」

「スタン・ガーン」
 慈悲の無い電撃が走った。全身が痺れ、1秒だけ呼吸が止まる。ショックのあまり転倒し、ベッドに頭を打って、そのまま転げた。長時間正座した後のように全身の感覚が無くなり、目の前がチカチカする。呼吸再開と共に、あたしはぼえっと酸っぱい液体をちょっとだけ吐いた。

「こ……うげきするな……んて」

「アンタが単独で罰せられるならいいけどコボレ全体が責任を負わされる。サブリーダーとか気取ってる割に緊張感が無さ過ぎやしませんか? これだからアンタのことが嫌い」
 さっちゃん、いや、佐奈は、そう言った。
 あたしもお前なんか大嫌いだ、そう言おうとしても呂律が回らなかった。すると。

 ドンドン!

 ノックの音。
「ちっ、リフトアップ」
 佐奈は電流にてあたしとミドリちゃんを吊り上げた。痛みはなく、ただ見えない腕によって持ち上げられているような感覚。あたしはベッドの下段、ミドリちゃんは上段に押し込まれた。ミドリちゃんの重量でベッドがミシッと軋んだ。

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