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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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325 :げらっち
2024/07/15(月) 16:28:44

《佐奈》


 校外学習でメカノイアの戦争機と対決し、メカノ助はボロ負けした。操縦者のうちにはこれっぽッちも非が無かった。メカノ助に飛び道具が無いから。ただそれだけの理由で負けた。それが悔しくて悔しくて。思い出しただけでも悔しさが核爆発を起こして……
「クソッ!!!」
 うちはキーボードをブッ叩いた。
 うちはPCで、メカノ助に関するプログラミングをしていた。アップデートにアップデートを重ね、メカノ助に新装備を追加する。
 校外学習から帰ってからというものの、そのことで頭がいっぱいだった。

 ドスン! ドスン!

「……ちっ」
 上の階で重い物が飛び跳ねるような騒音。静寂を求めせっかく1人部屋になったのに、これじゃあ意味が無い。
 イヤホンを耳に埋め込んで音楽を流し込み、気を紛らわせる。
 ドスンドスン!!!
「ああもう!!!」
 イヤホンを貫通するほどの爆音と振動。うちはイヤホンを引っこ抜き、投げ捨てた。机の上の、昔の女児向けアニメのグッズの時計を見る。
 アナログ時計の針は6時を示していた。
「誰だこんな朝っぱらから騒ぐのはよ!」
 と思い、我に返る。
「……あ、夕方か……」

 学園に帰ってからというものの、カーテンを閉め切ってずっと部屋に籠っていた。部屋の中央に置かれた勉強机の周りに、カップ麺の容器などが散乱している。たまにトイレに行ったり部屋のお風呂に入ったりはしているものの、時間の感覚は完全に狂っていた。

 ドンッ!!!

 夕方だとしても、あの音は何だ。
 うちは天井を見上げる。上の階に住んでいるのは七海さんと楓さん。七海さんは学園に帰ってすぐ入院したので、今も上の階には居ないだろう。となると、あの馬鹿ではしたない伊良部楓が戦犯。ふしだらなアイツが、七海さんが居ないのをいいことに、男子共を呼び込んで、乱痴気パーティーをしているのではなかろうか。その可能性は十分ある。うちは苦労してコボレの為に巨大戦力の改良に当たっているのに、あのサブリーダー気取りは何してやがるんだ! もう限界だ!!

 うちは梯子を登って上の階へ。文句の1つや2つや3つや4つ、言ってやる。
 でも予想だにしない状況だった。上の部屋は滅茶苦茶に荒らされていて、ベッドには全長3メートル近い緑色の恐竜がもたれかかっていた。うちはヒッと悲鳴を上げた。ベッドの上には、楓さんが居るようだ。そういえば何時間か前にテレビで学園内のニュースを見た時、脱走した恐竜に注意、と言っていたっけ。あの騒音は入り込んだ恐竜によるもので、楓さんは恐竜に襲われているのか。だったら助けないと。気に喰わない奴でも一応だ。

 うちは変身。
「すりるすぱーく!!」
 [ギヤアアアアアアアアア]
 恐竜に電撃を浴びせ、失神させた。恐竜は倒れ、ひときわ大きなドスンという音が響いた。
「楓さん大丈夫だった?」
 ベッドの上から楓さんが顔を出した。
「さっちゃん何でここに?」
「すごい音がしたから助けにきました」
 楓さんはベッドから飛び降りて、あたしに迫った。足を怪我していたなんて嘘みたいだ。

「邪魔すんなよ、お楽しみタイムだったのにぃ!!」

「……は?」
 伊良部楓、狂ったことを言いやがる。
「とにかくそいつを匿うのは処罰の対象ですから」
「知ってるよ!!」
「知っててやってるの? なら尚たち悪い」
「関係ないじゃん! 部屋に帰ってよ。ハウス!」

「スタン・ガーン」
 うちは伊良部楓の胸に電気を撃ち込んだ。一応弱めの攻撃にとどめたが、本当ならその無知蒙昧な脳味噌を焼き切ってやりたいくらいだ。
 伊良部楓は後ろに転び、ベットに頭を打って、床に倒れた。白目を剥いて、ぴくぴくしながら、口から臭い液を吐いた。

「こ……うげきするな……んて」

「アンタが単独で罰せられるならいいけどコボレ全体が責任を負わされる。サブリーダーとか気取ってる割に緊張感が無さ過ぎやしませんか? これだからアンタのことが嫌い」

 ドンドン!

 ノックの音。
 これだけ騒げば他の生徒も異変に気付く。
「ちっ、リフトアップ」
 恐竜を匿ったことが他者にバレたらコボレ全体が退学だ。うちは電気魔法で伊良部楓と恐竜を吊り上げ、ベッドの中に隠した。

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