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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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351 :げらっち
2024/07/22(月) 18:21:58
こうなったら。
この方法は、使いたくなかったけれど。
仕方ない。
「フォーメーションA!!」
「合点承知!」
私の命令を受け、ダウンしていた公一が起き上がり動いた。鎖の先に重しが付いた万力鎖という忍器を投げ、ブラックアローンの左腕を絡め取った。
「この程度の攻撃に頼るとは、自棄にでもなったか?」
ブラックアローンは右腕でサーベルを振るい、鎖を断ち切ろうとする。しかし。
「のびーるアナゴ!!」
楓がチンアナゴを巻き付けて右腕の動きをも封じた。ブラックアローンは不意をつかれサーベルを取り落とした。
「……何だこのふざけた技は。我輩をおちょくる気か?」
「びよ~んかいな!」
「マジックハンド!!」
間断無く攻撃が続く。佐奈に改造された豚の腕が伸びブラックアローンの右足を封じ、凶華のマジックハンドが左足を封じた。
ブラックアローンは四肢を引っ張られ、大の字になって動けない。
「姑息な。我輩の魔術を使えば貴様らなど全滅させられる」
しかし5人は怯まず、全力でブラックアローンの動きを止めている。
私は言った。
私たちの後方で、休めの姿勢でずっと戦いを見ていた、いつみ先生に向けて。
「先生、炎を貸して下さい」
「同じことを二度言わせるな。《僕は直接手を出すことはできない》」
「直接ではない。間接的です」
私はゴーグルの下から先生を見据えた。先生は折れた。
「……いいだろう。僕は力を貸すだけ。使うのはきみだ。受け取れ!!」
先生は親指を弾き上げ、火の玉を生み出すと、デコピンするようにして私にそれを送った。
私はその火球をキャッチする。
熱い。
喰らえ!!
「フレアボール!!!」
宙に磔にされているブラックアローンの胸に、炎を投げ付けた。
拘束されていて防げないぞ。さあどうする!
ブラックアローンは唱えた。
「スプラッシュ!!」
水飛沫が出現し、小さな炎は呆気なく消えた。水蒸気が立ち上がった。
これは、水魔法だ。
やはりな。
「……先生は一度、私の命を救ってくれましたね?」
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