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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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353 :げらっち
2024/07/22(月) 18:22:24

「……やっぱりね」

 私は這いつくばり、光りの中のブラックアローンと目線を合わせた。
 彼もまた苦しんでいた。

「あなたが現れるのは雨天、夜、日影、闇の中。それは単にあなたが暗闇を好んでいるからだと思った。でも違う。光りに耐えられないんだ。《雨天の戦い》で。あなたが優勢だった。それなのに、いつみ先生が現れて空から光りが差した途端、劣勢になって、逃げ出した。それだけじゃない。あなたが現れるのはいつも光りの無い時と場所。だからもしやと思った。あなたは私とおんなじなんだ」

 私は唱える。
「ブリザードハンド」
 雪の腕が出現し、ブラックアローンの頭を、しっかり掴む。
「……ヤメロ!」
 ブラックアローンの黒いマスクを、引っこ抜くように取り払う。その下から出てきた顔は。

 私とおんなじ。

 真っ白。

「あなたもアルビノだったんだ」

 角ばった成人男性の輪郭は、ボサボサの白い髪に覆われている。真っ白い肌に大きな鼻。
 左眼には眼帯を付けている。変身した姿が単眼だったのはこのためか?
 そして右眼に陣取るのは、私とおそろいの、青い虹彩だった。
 色素の無い顔は日光の直撃を受け歪む。ビーチサンダルを履かずに夏の砂浜を、いや、火の上のフライパンを踏んでいるようなものだ。

 このフィールドに日除けは無い。フィールドから離脱したら負けである以上、もう勝負にならない。

「……あああ!! 眩しい!! 痛い! 光りが痛い!! 助けてくれ!! 俺の負けだ! 負けでいい!!」

 ブラックアローン、いや飛一郎は、両膝を突き、頭を抱えていた。
 私でも変身していない状態で真夏の白昼の日光に晒されれば、このような状態になるだろう。同じ障害を持つ者として、酷なことだとは思う。
 でも、今でなければ問い詰めることができない。
 私は光りの下、何とか立ち上がり、飛一郎に質問を投げ付けた。

「話しなさい!! あなたはどうしてそこまでして私の邪魔をするのか!!」

「……お前は俺に似ているからだ!!」

「理由になってない!」
 私は雹を生み出し飛一郎の顔面にぶつけた。
 その反動で、眼帯がずれた。私は息を呑んだ。左眼は存在しなかった。目玉の無い、ただの穴があるだけだった。
 飛一郎はうずくまり、地面をのたうった。

「やめてくれ……光りが……痛い……ヒカリガ……」

「答えてよ! あなたの信念は何なんだ!!」


「ヒ……カリ……」


つづく

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