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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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386 :げらっち
2024/08/01(木) 14:24:59
火の玉が、会議室に飛び込んだ。
いつみ先生。
彼の入室で室温が上昇し、緊迫のタコ足配線がほどけたようだった。
彼は私の背もたれに両手を突いて体をもたせかけた。私は昨日の恐怖心から、飛び退きそうになってしまった。
「僕はもちろん、退学案には反対だ」
天堂任三郎は、面倒臭いというふうに首を振った。
「赤坂いつみ、あなたに投票権は無い。抑々あなたが生徒への肩入れを行ったことが問題になっているのだ。席を外して貰おうか」
いつみ先生はそれに従わず、さも当然というように言った。
「その通り、僕はコボレンジャーに肩入れしたさ♪」
「認めた! 認めたぞ! 教師共!! 本人が認めているのだ、小豆沢七海は退学だ! この教師はクビにしろ!」
天堂茂が鬼の首を取ったように喚く。
いつみ先生は天堂親子に近寄り、机にバンと手を置いた。
天堂茂は椅子から転げ落ちた。
「戦隊は実力が全て、そうだろう?」
「だからと言って生徒同士の競技に教師が力添えしていい訳が無い」
と天堂任三郎。
「優勝は無かったこととするのが正当だ」
いつみ先生は懐から棒を取り出し、真っ直ぐに掲げた。
天堂任三郎は武器を向けられたと思ったのか、焦って椅子の背もたれに深くうずまった。しかしそれが殺傷能力の無い物とわかって、眼鏡を押し上げた。
「何のつもりだ。私にそんな物を向けるな」
いつみ先生が出したのは指揮棒だった。
彼は180度振り向いて、私に指揮を振った。
「彼女は強い。学年一な。僕の力添えなど無くともだ。それを証明すればいいんだろう?」
……なんなんだ。いつみ先生は、態度がコロコロ変わる。
私を追い詰めたと思ったら、次は買い被ったような発言。一体私を、どうしたいんだ!?
「……いいだろう。受けて立つ。私の息子が負けるはずが無い」
あろうことか天堂任三郎は、その勝負に、乗った。
「え、ええっ!?」
椅子から落っこちていた天堂茂は怒涛の展開に、へっぴり腰で立ち上がった。
「ですが父上! 退学案は可決されたはずです!!」
天堂任三郎は有無を言わさぬ眼光で、息子を見下ろした。
「茂、戦いなさい」
天堂茂は呆然と、私を見た。「助けてくれ」と言っているようだった。何故私に助けを求める。
いつみ先生はキレ良く指揮棒を振るった。
「やれ七海。きみの実力を証明する最後の課題だ」
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