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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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416 :げらっち
2024/08/10(土) 12:30:50

 操縦席に辿り着く。あの髑髏の内部だ。コントローラーは赤でベタベタになっていた。血のようで気味が悪い。
 ガラスの張られていないフロントから下を見ると、エリートキングの半分くらいの背丈しかないメカノ助の姿があった。

 豚ノ助、佐奈。
 何としてもあなたたちを正気に戻すから。

「準備は良い?」
 私は操縦席左方のモニターを見た。ポンパドーデスが画面の向こうから睨んでいた。
「いつでも好きにしなさいよ!!」
 私は操縦桿を握り、アクセルを踏み込む。
「じゃあ行くよ!!」

 エリートキングは重い身体を動かした。キャタピラがキュル、キュル、とゆっくり回転する。あのゴキブリ潰れてやいないだろうか。
 メカノ助は異変に気付いたようで、こちらに立ち向かってくる。私は心でごめんと呟いて、操縦桿の攻撃ボタンを押す。エリートキングは腕の大砲から爆撃。メカノ助は被弾し、大きく後退した。
「目を覚ませ!!!」
 メカノ助は怯まず、エリートキングの胴体に思い切り突っ張りを噛ました。物凄い衝撃と振動、鼓膜が千切れそうになるが、こちらも怯まない。
「目を覚まして!! お願い!!」
 私はボタンを連打する。エリートキングは4本の腕から集中砲火。メカノ助は炎に包まれ、両膝を突いた。相撲なら突き膝で、負けだ。
 勝てる。そう思ったが手応えが消えた。カチ、カチ、ボタンを押しても砲撃が出なくなった。

 ポンパドーデスからの通信が入る。
「小豆沢七海、能無しの馬鹿!! そんなに連射したらもう弾が無いわよ!」

「そんな! 何とかしてよ、他の攻撃は無いの?」

 ポンパドーデスは威勢良く「無いわよ!!」と言った。
 火力でゴリ押しするだけの鈍重なロボとは何なのだ。弾が切れたらただの粗大ゴミである。
 黒煙の中、メカノ助は立ち上がった。しぶとい相撲取りだ。誇らしいが今は脅威だ。メカノ助はエリートキングをガッチリと捕まえた。デカくて重いエリートキングだが、怪力によってじりじり寄られ、校舎にぶつかった。大きな揺れ、ロボ全体が悲鳴を上げるように軋み、パーツが零れ落ちる。

 仲間にやられるとは、お笑いだ……

 変身できず魔法も使えない。
 私はフロントから身を乗り出し、目下でエリートキングと組んでいるメカノ助に対し、張り裂けんばかりに叫んだ。

「豚ノ助ーーーー!!!! 佐奈ーーーー!!!!」

 力持ちで優しく、いつも味方で居てくれた豚ノ助。
 癖のある性格だが、私に共鳴してついてきてくれた佐奈。
 2人ともコボレに絶対居なくてはならない仲間であり友達だ。


 私は涙を落とした。

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