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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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422 :げらっち
2024/08/10(土) 12:40:40

「戦隊学園は赤の日を境に廃校になる案もあった。だが僕の力添えで、《赤の世代》の《7色の人材》を見極める場所として生まれ変わったのだ。いくら落合輪蔵と天堂任三郎に人望があったとはいえ、混迷の此の世、彼らの力だけで学園を存続するのは不可能だったろう」

「校長先生は、そのことを知ってたの?」

「いや」
 赤坂いつみはポンチョの中から書類を取り出した。
「ハンコを押して貰っただけさ」
 膨大な文章が書かれた下に、落合という判が押されていた。朱肉の色は落ちていたが、その判は、斜めに押されていた。落合の下に押された天堂という判は、威張り散らすかのように、真っ直ぐに押されている。それと比べ校長先生の判は、ぺこりとお辞儀をしているかのようだ。どこまでも謙虚な人なのだ。私は胸が締め付けられる思いだった。あんな失礼なことを言って戦隊証を返納してしまったけど、もう一度恩師に会って、話したい。戦隊証を受け取って、学園での再スタートを切りたい。

「ボケ老人を騙すのは簡単だったさ」
 !!
 赤坂いつみは校長先生を愚弄した。
「最低!!」
 私は憎き男に掴み掛る。指揮棒がひょい、と振られ、それだけで私は大きく飛んで、白に落ちて転がった。
 全身が悲鳴を上げている。だが負けたくない。立ち上がる。
 赤坂いつみの目はアーチを描いていた。ニコニコ笑っていた。嫌な予感がした。

「校長先生は、無事なの!?」

「どうだろうねえ♪」

 バク、バク、心臓がテンポを上げた。もし校長先生が学園の統帥をできなくなったとしたら、それは学園の終わりだ。
 大黒柱が折れたら建物自体が崩れ去る。

「校長のヘルパーを覚えているかい」

「?」
 突然のことで戸惑ったが、思い出した、校長先生の脇に控えていた、イロの薄いヘルパーだ。
「覚えているけど」

「彼は、神のディスポだった。僕は彼に、つまりは神に、きみたちコボレンジャーの実力を見せつけたんだ。コボレンジャーがニジストーンに成り得ると証明したんだ」

 戦ー1グランプリ、それ自体が、赤の世代のうち最も優秀な人材が誰かを見極める、試金石だったんだ。

「でも虹光戦隊コボレンジャーは6人だ。1色足りないんだけど」

 赤坂いつみは両腕を広げた。

 まさか。

「あなたが赤!?」
 赤坂いつみは嬉しそうにうんうんと頷く。
 コボレを瓦解させ、学園を崩壊させたどの口が言うか。
「コボレリーダーとして絶対認めない!! あなたの赤はきらめいている。でも、それだけだ。1人で勝手に燃えてりゃいい。コボレは相互補完だ。組み合わさってこそ輝くイロを求めてる。あなたと比べりゃ天堂茂の赤の方が、ずっとまし!」

「あの愚かな坊やがか? 僕は《最初から》彼を見ているが、彼はとても赤いニジストーンにはなれないね」

 赤坂いつみは指揮棒で弧を描く。

「虹の要の赤いイロ、アーチの最も外側、一番長くなる部分。ここは僕が務めよう。僕の指揮でこそ、コボレは最も輝けるし、世界は最も華やげるのさ♪」

「あなた、神にでもなる気?」

「いいや。僕は天使さ」
 赤坂いつみの背中に、真っ赤な翼が生えた。

「僕は神の使者であり赤いニジストーンのレプリカ、光りの天使レプリエルだ」

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