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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗437

437 :げらっち
2024/08/12(月) 23:03:07

 虹の道から降り立ち、亀裂の入った白を踏む。自然なのか人工物なのかさえわからない地面。空なのか天井なのか宇宙なのか判然としない天。
 ピカリポットに戻ってきた。

 変身している私と茂、そして黒いマスクを装着した飛一郎は、割れて遥か下の学園が見えている地から、より白の深い地へ進む。

 白の中に、レプリエルが立っていた。彼は寛いでいるようだった。


「出色だね、小豆沢七海。まさか虹を掛けてここに来るとは」


 まるで授業を受けているかと錯覚するほど、いつも通りの表情だった。
 この男は残忍だ。

「あなたは校長先生を殺し、私の友達を奪った。死者は蘇らないけれど、私の友達は返して」

 レプリエルは指揮棒を失った代わりに、指を上げた。
 すると白の中に透明な球体が現れた。その中に公一、佐奈、豚、凶華の4人が入っていた。
 4人は球体を内側から叩いている。だが音も声も何1つ届かない。公一の口を読唇すると、「にげろ」、そう言っているようにも見えた。

 逃げるもんか。

「この4人はすぐにでもニジストーンに変えてあげられるよ。それに、これ」
 レプリエルは青い石を握り締めている。ニジストーンになった楓だ。

「楓に触るな! 楓の手を握るのは、私であって、あんたじゃない」

 レプリエルは有邪気に笑った。私との対峙を楽しんでいるのは、彼に余裕があるからか。
「こちらは計6色だ。たったの1色で、どう立ち向かうつもりかな♪」

「1色だと? この僕が見えなかったとは言わせないぞ! 戦隊の花形の赤が居る!!」
 茂が私の左隣に進み出た。
 レプリエルは目をこするジェスチャーをした。
「あれ? 見えなかった。余りにもつまらない赤で見逃していたよん。お前みたいな取るに足らない安いペンは、1色にはカウントしないよね?」

 なかなかビューティフルな煽りだ。
 茂は勿論激昂した。
「父上に言いつけてお前をクビに――はできないが、僕は僕の力でも戦えるという事を見せてやる!! 貴様の赤なんかより、僕の赤の方が上等だと!」

 レプリエルは「威勢がイイね♪」と言った。

「それだけじゃない。彼も居る」

 私がそう言うと、飛一郎が私の右隣に進み出た。

「おやおや飛一郎♪ お呼びでないが、何の用だい?」

「決着をつけにきた。仲間と離れ離れになり悲しむ姿を、もう見たくないのでな」


 私たち3人、レプリエルに立ち向かう。

「バックドラフト!!」
 突如、茂が動いた。白い地から炎が吹き上がる。
「こら待て、リーダーの指示をちゃんと――」
 だが茂は怒りに任せ、炎の中に飛び込むと、火達磨になって特攻した。天堂茂の赤は、もう作り物ではない。情熱の本物の赤。私は止めることもせず見入った。
「バーニングヴァルナ!!」
 火の玉が飛び上がり、頭突きを噛まし、光りの天使を押し上げる。
 しかし炎相手に炎、しかもレプリエルの炎の方が余程強大だ。敵うはずが無い。レプリエルは翼を大きく開き、茂を受け止めた。茂の威力が落ちていく。

「うぜえよ!!」

 レプリエルはニジストーンを使うこともせず、己の赤だけで反撃した。
「茂危ない!!」
「ボウライド!」
 火球が飛び、茂は落っこちて、何度もバウンドして、変身が解けて倒れた。全身に火傷を負っていた。
「アイシング!」
 私は冷気の塊を被せ、茂の全身を癒した。次に攻撃、

「スパイラルアイス!!!」

 氷の螺旋で天使を狙い撃つ。天使は翼をはためかせかわす。何度も何度も魔法を撃っては、かわされる。

「どうした七海、その程度じゃないよなあ? 最初の授業の時、きみに教えただろう。魔法はダイナミック、かつ、精密である必要があると!」

「ブリザードフット」
 レプリエルの頭上に氷雪のドカ足が現れ、天使の頭に強烈なかかと落としを決めた。ドゴン! レプリエルは虫けらの如く地に叩き落とされた。
「アドバイスどうも!」

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