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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗446

446 :げらっち
2024/08/15(木) 11:15:13

 戦隊学園はピカリポットの支配下から解放された。


 コボレンジャーは、赤坂いつみの正体を、青竹先生に報告した。
 詳しい話の内容は忘れたが、先生たちはコボレを労い、私たちが事件の核に居た事は公表しない、と誓約してくれた。
 今はそれを信じることにした。

 半壊した学園は、戦隊たちが力を合わせ復興することになった。


 幸いにも生徒の死者は出ていなかった。一連の事件で亡くなったのは、落合輪蔵校長先生、ただ1人。

 校長先生のお葬式は、しめやかに執り行われた。

 私は制服に、きっちりとネクタイを結んで、焼香した。
 遺影の中の校長先生は私に微笑みかけていた。校長が代わっても、アカリンジャーである彼が立ち上げた学園はこれからも続き、彼の闘志を受け継ぎ続けるだろう。
「ずっと学園を見守って下さい」
 そう言って目をつむった。


 長めの夏休みが設けられることになった。

 正門は、帰省する生徒たちでごった返していた。
 私たちコボレの7人は門前に集まっていた。
「うわー、帰りたくないよ!」と楓。
「俺も帰るのいやや~!! オトンにみっちりしごかれてまう~~!!」
 麦わら帽子の公一はしゃがみ込んでしまった。
「うちも帰りたくないですね……」
「僕は帰りたいブヒ!! パパやママや弟の序二郎(じょじろう)、妹の三々子(みみこ)に会いたい!!」
「オイラは家自体がねえぜ!!」

 コボレメンバーは家族に闇を抱えている者も多い。

「日頃の行いが悪いから、そうやって家族に顔向けできないのだ!!」
 茂はふんぞり返って言った。
「僕は父上に直談判してやる。僕こそが真の息子であるとな!!」

 その時茂の顔から憎たらしい笑みが消えた。

 両親と見られる大人の男女に連れられて、女子生徒が歩いてきた。両親は大きなトランクを抱えている。
 女子生徒はポンパドーデス、芽加子だった。
 彼女は腕を負傷したため精密なメカが作れなくなり、退学の道を選んだ、という噂があったが、デマではなかったらしい。

 すれ違いざま、茂は、少し気まずそうに、頭を下げた。
 芽加子も少しだけ頭を下げ、門の敷居を跨いで、学園の外に消えて行った。

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