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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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447 :げらっち
2024/08/15(木) 11:15:29
私たちは学園の外に出た。
夏の太陽は眩しい。
私はどんなに暑くても長袖長ズボンを着て、日傘とサングラスで色素の無い身体を守る。障害とはずっと付き合っていかなくてはならない。
7人はぞろぞろと草の茂る道を歩き出した。
「ってオイ、外の世界を無防備に歩いて大丈夫なのか? 学園の送迎バスに乗ればよかったものを……」
憂う茂の背中を、凶華がブッ叩いた。茂は前のめりに倒れた。
「怪人が襲ってきてもオイラたちコボレの敵じゃねえよ! 怖気づいてるのか?」
「そ、そういうわけでは……ないが……」
茂は匍匐前進を始めた。
「敵に発見されないよう身を屈める! これはセオリー中のセオリーだ! 緊張感を持て落ちこぼれ共!!」
佐奈は荷物を全部豚に任せ、頭の後ろで手を組んで歩いていた。
「あ~あ、嫌ンなっちゃいますよね。コボレンジャーあんなに活躍したのに一切合切無かったことになるなんて」
「まあ注目されるのも大変ブヒよ。平凡が一番ブヒ」
「あ、でも……あいつが退学したってことは、機械クラス首席の座はうちに……あっ」
佐奈はブヒヒと笑った。豚がうつってる。
「それはいいとして帰りたくないですね……あの両親の顔を見るのもヤダ」
「じゃあうちに泊まるブヒ?」
「えっ」
突然の提案を受け、佐奈は頬を赤らめた。
「えっ……じゃあそうしちゃおっかな。あ、部屋は別で。食器も別で。お風呂は一番最初で。あとうちのリクエスト通りのメニューにすること。できればトイレもうち専用のを決めていただけると……」
豚はメモを取り始めた。
「何だかてんぱっとるなあ。七海も俺んちに……」と公一。
「やだよあなたの家関西でしょ、遠い却下」
「七海ちゃんは結局どうするの?」と楓。
「一度、私の育ったシティ13に帰ろうかな」
でもまたすぐに学園に戻るかもしれない。戦隊学園は私の家だから。
進む先は十字路になっていた。私たちはめいめい家に帰る。
「ここで一度お別れやな!!」
「うん。また新学期会おうね!!」
皆手を振りあって別れを惜しむ。
私も彼らに手を振る。しばしのお別れだ。
「じゃあね、またね」
空には綺麗な虹が掛かっていた。
白紙だった私の人生に色が塗られた。私の人生ここからが始まりだ。
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