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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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49 :げらっち
2024/05/04(土) 20:00:16
「誰も匿っていないから。江原公一って誰? 私たち知らないよ」
すると最首は、目を光らせ、私の顎を強く掴んで上を向かせた。
「お黙りなさい!! アナタたちが江原公一と戦隊ユニットを登録しているのは知れているのよ! アタシに嘘は吐かないこと!!」
最首の顔が、私とキスしそうなくらいに近付く。こいつと接吻するくらいならペットのカエルとする方がまだましだ。
最首の茶色い虹彩が、私の青い虹彩を捉えた。私の瞳孔が大きくなり、脈拍が上昇している。嘘がバレたな。
「フン、かわいい顔して。アタシを騙せるもんなら騙してみなさい? 拍手してあげるワ」
最首は私から手を離し、今度は作り笑いではなく、嗜虐的な笑みを浮かべた。
「江原公一を匿うならこの部屋しか無い。あの子の犯した校則違反は重大よ」
彼は校則違反を犯し追われていたのか?
「校則違反って何なの?」
「あらァ、知ってるでしょう? あの子は忍術クラスの学費を横領したのよ」
横領? アイツ、そんなことができる玉かな?
最首は呟いた。
「見つけ次第、退学とする……」
「やめて、酷いことしないでよ!!」
楓の叫び声。
男の1人が水槽をガンガン叩いていた。
「何だこの悪趣味な水槽は! 寮へのペットの持ち込みは禁止されているはずだが!」
「生クラの課題で飼育してるんだよ!」
「大概にして!!」
私は怒鳴った。
「江原公一は居ないってわかったよね? 間違いを謝罪して出てってよ!」
最首は茶色い眉をひそめる。男の1人が彼に「確かに、何処にも居ませんね」と報告した。
「ちっ」
最首が撤収の合図をし、男たちはぞろぞろと部屋を出て行く。
「ごめんなさいも無し!?」
ソウサクジャーは私を無視し、勢いよく扉を閉めた。
私は扉に忍び寄り、鍵を閉めた。
「……OK」
「し、心臓止まりそうやった!!」
水槽の浮き草の下から江原公一が顔を出した。見事な狐隠(きつねがくれ)の術であった。
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