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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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52 :げらっち
2024/05/04(土) 22:11:43

 星空の下で見つめ合っている私と公一。

「キスでもしてみる?」
 私は、柄でも無いことを言ってしまった。
 夜は静かだが恐ろしい。月明かりは闇の中の男女を覚醒させる。
 公一は、口を真一文字に結んで私の目をじっと見ていた。数秒が経過。彼はフッと笑った。
「やめとこ。返り討ちにされたないねん」
「お利口だね」


 下り坂を歩き、しばらく行くと中央校舎が見えてきた。
 すると突然、後ろから肩を掴まれ、茂みに引きずり込まれ、押し倒された。こんな暴挙に出たのは公一だ。
「わあ! 後ろから襲うとは意外と……」
「静かに!」

 私と公一は落ち葉の中で息を潜めた。

 校舎の方から集団が走ってくる。走ってはいるが、足音が無い。忍者の集団だ。
 咄嗟に茂みに隠れなければ見つかっていた。公一はその気配に気付いたのだろうか。すごい。忍者の素質あるんじゃないか。

 集団の中には忍術クラスの担任・和歌崎、そして最首の姿もあった。
「クラスの威信に懸けて、必ず捕まえなさい」
「もちろんおっしゃる通りに。虱潰しにやれば、必ず見つかるワ」
 ソウサクジャーおよび忍者の戦隊が、寮の方角に向けて走り去って行った。あいつらは星空を見上げたりしないだろうし、見ても綺麗と思わないだろうな。

 集団が完全に去ったのを確認すると、私たちは茂みから出た。

「やったね公一! これで校舎はもぬけの殻だ」
「逃げたと見せかけ侵入する、逃止(とうし)の術やな」

「ん?」
 私は最首たちが走って行った、舗装された道を見た。何かある。あれは足跡だろうか。いや違う。茶色い物が、点々と地面に残されている。最首が残していったイロか? こんな現象は初めて見た。気持ち悪いので踏まないようにしなくては。

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