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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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55 :げらっち
2024/05/04(土) 22:17:59
私は校庭に降りた。
公一は変身が解け、霜にまみれた間抜けな状態で仰向けに倒れ、ぴくぴくしていた。
「はいあなたの負け」
私は公一の髪を掴んで引きずる。
「な、なにする気や……」
「最首に突き出してやる」
「みいつけた」
夜の闇の中から、茶髪のマッシュルームカットがぬるっと現れた。
最首権その人だ。
「江原公一、逮捕するワ。やはり小豆沢七海、アナタが匿っていたのね?」
「そ。だけどやめた」
私は公一を蹴飛ばして、最首の前に転がした。
「最初は助けてやろうと思ったんだけど、こいつ弱虫でムカつくから、あなたに突き出すことにした。煮るなり焼くなり、好きにして」
公一は呻く。
「う、裏切り者……!!」
「最首、あなたが真犯人なのはわかってる。でも私はこいつが退学になってももうどうだっていいから、あなたの罪については公にしないつもり」
「あらァ。意外と物分かりがいい子ね」
最首は不気味な笑みを見せた。
「小豆沢七海、アナタが江原公一を逃がそうとした蔵匿罪は、これでチャラになったワ。かわいい子。気に入った」
「だったらどうしたって言うの?」
「口の減らない子ねぇ」
最首はヤレヤレと肩をすくめた。
「まあいいワ。江原公一を逮捕する瞬間を見せてあげましょう」
最首は、足元でのたうち回る公一を見下し、告げた。
「アナタを横領罪で、逮捕します」
彼は戦隊証を取り出した。
「ブレイクアップ!!」
彼の体が、自慢の茶イロに包まれる。
「風紀の守護者、ソウサクブラウン!!」
彼は艶やかなブラウンの戦士に変化した。ゴーグルの代わりに赤外線スコープのような物が付いており、手には白い手袋、黒いベルトからは幾つもの手錠がジャラジャラと垂れている。
「江原公一、アナタには黙秘権が……!」
「はい、そこまで。盛り上がってるとこ残念だけど」
私と公一は、同時に、最首に苦無を突き付けていた。
「あなたの自白に当たる台詞はGフォンに録音したから」
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