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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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56 :げらっち
2024/05/04(土) 22:19:22
『最首、あなたが真犯人なのはわかってる。でも私はこいつが退学になってももうどうだっていいから、あなたの罪については公にしないつもり』
『あらァ。意外と物分かりがいい子ね』
ポケットに隠したGフォンでの録音。この部分は自白に当たり、決定的な証拠となるだろう。
「ど、どういうこと!?」
公一が立ち上がった。
「俺と七海は喧嘩したフリしてお前を油断させたんや。敵に寝返ったと見せかけ味方に戻る、これぞ山彦の術や。忍術クラス首席なら当然知っとるやろ?」
「あなたが公一に付着した茶イロを通じて音声を盗聴していると思ったから、徹底的に演技させてもらったよ。作戦会議も目線を交わせるだけで済ませたし」
ソウサクブラウンこと最首は、余程悔しいようで、ぷるぷる震えている。
「騙せるもんなら騙してみなさい、って言ったよね。名演技だったでしょ?」
「く、くぅ~!」
最首はパチパチと拍手をした。
公一は私に駆け寄った。
「にしても七海やり過ぎや。ほんまに死ぬかと思ったで!」
「そっちこそなかなかやるじゃん」
最首はガクッと膝を突き、黙り込んだ。私と公一はそんな彼に、苦無を向ける。
「教えてよ。どうしてお金を盗んだの?」
最首は白状した。
「就活のために金を積むつもりだったのよ……」
「呆れた。規律を取り締まる人が何をやっているの?」
「でも……甘いわね。まだアタシの負けじゃないワ」
最首は学園中に響くような大音量で叫んだ。
「助けて!!!!! 逃亡犯がアタシを殺そうとしている!!!!!」
その声を聞きつけ、校庭のあちこちからソウサクジャーのメンバー、および忍術クラスの生徒たちが集まってきた。
この状況を見た彼らの目には、犯人である私たちが追い詰められて、最首に襲い掛かっているように見えただろう。
「おのれ江原公一、忍術クラスの恥さらしめ。神妙にしろ! ブレイクアップ!」
生徒たちは各々変身を始めた。
忍び装束の様な衣装に身を包んだ戦士たち。色とりどりだが、どれも暗めの目立たない色だ。派手な赤や明るい黄色は、忍者として活動する上で目立ってしまうので、必然的に目立たないイロを持つ生徒ばかりが集まるのだろう。
「や、やばい! 無勢に多勢や!!」
「逆でしょ。不利でも最後まで戦うんだ。コボレンジャーの実力を見せてあげよう!」
「わ、わかった!」
「ブレイクアップ!!」
私と公一は再び変身を決める。
「コボレンジャー!!」
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