Yahoo!ショッピング

スレ一覧
380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗57

57 :げらっち
2024/05/04(土) 22:21:14

「お前ら、行け!」
 ソウサクジャーに指示され、5人組の忍者の戦隊が私たちを取り囲んだ。
「あの戦隊は何?」
「あいつらは忍法戦隊シノブンジャーとかいう1年生の組みたての戦隊やな」
「じゃあアドバンテージは無いね。何とかなるはずだ」

 シノブンジャーの5人は、素早く時計回りに動き回りながら、包囲を狭めてくる。
 私は公一と、ピッタリ背中をくっ付けた。
「ど、どうすんねん?」
「しっかりしてよ。私と戦った時くらい本気でやれば大丈夫だよ。背中、預けるからね」

 シノブンジャーたちは手裏剣を手にしている。
 あいつらは5人居るが、全員忍術クラス。対してこっちは2人だが、忍術クラスと魔法クラスの混合だ。じゃんけんで相手は1つの手しか出せないのに、こっちは2つの手を持っているような物だ。

 敵が手裏剣を打つ姿勢。戦闘は青信号。

 私の白いイロが、氷の魔法を生み出す。想像次第で、どんなこともできるのが魔法だ。
「氷晶(ひょうしょう)手裏剣!」
 大きな氷の結晶を装備した。
「な、なんだあれ!」
「ひ、怯むなぴよ!」
 私は大きく振りかぶり、氷の手裏剣を打った。冷たい刃はキラキラ輝きながら飛んで行き、忍者たちの忍び装束を裂いた。忍者たちは音も無く分散し、手裏剣の応酬。
「危ない!!」
 私と公一は180度回転し、公一が忍び刀で手裏剣を叩き落とした。
「オトンに貰った愛刀コウガや!!」
 忍び刀は太刀なんかと比べて小さくて携帯しやすいが、まさか持ち歩いていたとは。
「おっと、手裏剣が帰ってきたで!」
 私の打った氷の手裏剣はブーメランのように戻ってきたようで、公一がそれをキャッチした。
「もっぱついくで!!」
 公一がそれを再度打つ。
 私と公一は背を密着させたまま反時計回りに回り、私は氷の手裏剣を打ちまくり、公一は防御をしつつ戻ってきた手裏剣を更に打った。がむしゃらな戦法だが意外と隙が無く、シノブンジャーは攻めかねている。

「何してるの、ちゃっちゃとやっつけちゃいなさい!! それでも忍術クラスなの!?」
 ヒスを起こす最首の声。あんたは戦わないのか?

「ハッ、あかん火縄の匂いや!!」
「火縄銃!?」
 洒落にならない武器を出してきたな。私は身を翻し、闇の遠方に灯る火種を見た。銃口をこちらに向けている忍者の姿。
「アイスバーン!!」
 私は校庭に拳を下ろした。地面が一直線に凍り付き、直線状に居た射手は霜柱に呑み込まれた。
「よし!」
「とどめは鉤縄や!!」
 公一が鉤縄を投げ、シノブンジャーの1人に引っかけた。私たちは回りながら忍者たちの周りを回り、忍者たちをぐるぐる巻きに縛り上げ、一網打尽にした。

「いっちょ上がりや!!」
「目回った……」
 私たちはふらふらとよろけた。
「ま、まさかシノブンジャーがやられるとは……」とソウサクジャー。
「どうします? 最首さん」
「あれ? 最首さんはどこ?」

 すると、森の中に逃げて行く茶イロが目に入った。

「最首! あいつだけは許さない!!」
 私は最首を追いかける。
「待てや七海!!」

 私はアイスバーンで凍った面を、スケートのようにつるつる滑るように進んだ。

 私は森の中に入った。最首はここに逃げ込んだはず……
 共感覚を駆使しあの茶イロを探す。落ちている茶イロは、大木の根元で途切れている。

 どこだ?

「甘いんジャー!!!」

 背後の土が盛り上がりソウサクブラウンが飛び出した。土中に埋まって忍んでいたようだ。
 私は咄嗟に魔法を出そうとするも、さっきの戦いで魔法を乱発した疲れもあり、敵に上手を取られた。

「アナタを逮捕しまぁぁす!!」

 枷が飛び、私の両手両足を拘束した。特殊な手錠は変身の自由をも奪う物だったのか、変身が解け素に戻り、身動きが取れなくなり棒のような状態で倒れた。鼻を思い切り木の根に打った。これはきつい……

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP