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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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63 :げらっち
2024/05/08(水) 13:30:45
「何あーた?」
茶髪の女子が、私に尋ねた。尋ねたというよりは、出てけと言ってるみたいだったけど。
私は凛として返す。
「クラス見学に来た1年の小豆沢と伊良部です」
茶髪は私の姿を見てあからさまに嫌そうな顔をし、背後に居る女子集団は悲鳴を上げて目を瞑ったり手で顔を覆ったりブザマ。私を見ると不幸になるとでも、本気で信じているのだろうか。
「あー、思い出した。入学式で黒歴史的挨拶をした小豆沢七海」
覚えてくれてたんだ、ありがと、そう言う前に楓が勇み出た。
「は? 黒歴史じゃないし!」
楓は背伸びして文句を言う。長身の茶髪は、楓を見下して言った。
「あーたは小豆沢七海とつるんでる芋ね。頭わっるそうな顔してるわね。ここは神聖な空間なのよ? さっさと帰って頂戴」
茶髪はシッシッと追い払うジェスチャーをした。
楓は「うざ!」と言いつつも後退してきた。
「七海ちゃん、デザインジャーすごい奴らだと思ったら性格クソだよ。新入生いじめてるし。帰ろ!」
楓は私の腕を引っ張った。でも私は杭のように直立して動かない。
まだ私の気が済んでいない。友達を悪く言った奴は許さない。
私は取り敢えず、煽りの斥候を派遣する。
「で、その変な髪形は何?」
「ポンパドールです!」
のっぽ女はでこっぱちで、栗色の前髪をバックにしており、脇の毛は横に流れていた。あまり似合っていない。
小柄なポニテの女子がきゃはッと笑った。それでポンパは怒ったのか、再びポニテを蹴り倒した。
「笑うなチビ!」
「チビって言うな!」
ポニテはすぐに起き上がり、黄色いネクタイを整える。
「新入生いじめはやめなよポンパドーデス。好感度下がる」
「ポンパドーデスじゃなくてポンパドールです! ていうか名前じゃなくて髪型だし。新入生いじめ? バッカみたい。私も1年生なんですけどォ?」
私と楓は「嘘ぉ?」とハモった。
ポンパドーデスは背の高さも相まって、2年か3年に見える。私は「老け顔」と煽りの次鋒を向かわせようと思ったがやめた。
「嘘じゃない。私は先輩たちを差し置いて、デザインジャーのエースになったの。つまり、こういうワケ。ブレイクアップ! メカニイエロー!!」
ポンパドーデスと女子集団は一斉に変身した。
彼女らのイロが増幅し体を包み、黄・赤・青・紫・ピンクの戦士に成った。ポンパドーデスは黄色。エースがこの色なのは珍しい気もする。
5人はキメポーズを取った。
「メカニ戦隊デザインジャー!!!!!」
私も楓もポニテの子も、白い目でそれを見ていた。
「こういうワケってどういうワケ? 単に変なポーズを見せたかっただけ?」
するとポンパドーデスは両手のひらを上に向けた。そこからバチッ、稲妻が上に向けて落ちた。
「減らず口を叩くのもそこまでよ! 私は俗に言う天才です。入学してすぐに作り上げたこのロボの威力を知るといいわ。いけ! 大仏人(ダイブツジン)!」
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