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62.長文コンクール
 ┗739

739 :黒帽子
2021/07/27(火) 12:25:34

雪華見てるか~?

ポケットモンスター、縮めてポケモン。それは一言では表せない、摩訶不思議な生き物。
海に、大地に、大空にいたるところに生息している。そしてその種類は今では900に届かんとしている。
この世界で人間は、数多ある種類のポケモンと共に暮らしている。ある者はポケモンを育てたり、またある者はポケモンを競わせたり、さらにはポケモンを研究する者もいたり…と。
そしてシンオウとカントー、ジョウトの三つの地域に囲まれた新たなる地域、アモキ地方にて青年タカシの冒険が始まろうとしていた。彼の相棒となるポケモン、そして彼の行く先に訪れるものとは…?

ハナダシティから電車に揺られること2時間。アモキ地方南端の街、キンシオタウンにタカシはやってきた。
「確かアモキ地方でもポケモン研究所がようやく開所したんだっけな。」
彼の祖父はアモキ地方では早い時期からポケモンを育てていた人物であり、生態の研究も時折していたのであった。キンシオタウンはそんな研究者の集まる街と化していたのであった。しかし祖父はタカシが5歳の頃に他界しており、ほとんど記憶になかった。
ポケモン研究所について気になったタカシは、駅前の交番を訪ねた。ジュンサーさんによると、駅前から延びる大通りを200メートルほど歩けばたどり着くそうだ。タカシはこのルートで思い出した。それはかつて祖父宅があったエリアだった。思い出しながら歩いていたため、駅前から研究所までは本当にあっという間であった。

研究所に入ると、1人の研究員が案内をしてくれた。話によると、遺書に「キンシオタウンの自宅をポケモン研究所に作り替える」と書かれており、研究者仲間たちで協力して研究所を作った。そして現在ではトレーナー初心者を迎え入れる施設として有名になったそうだ。
タカシはポケモントレーナーとして、祖父を継ぐ存在になりたいと申し出た。しかし、聞こえてきた言葉は意外なものであった。
「生憎だけど今日は初心者用ポケモンを用意していないんだ。また別の日に来てくれ。」
これにはタカシもショック、だったのもつかの間。朗報が来た。
「だけどその目は本気っぽいな。まるで君のじいさんそっくりだよ。仕方ない、特別にポケモンを一匹渡そう。」
研究員はそこに置いてあったモンスターボールをタカシに手渡した。タカシは早速と言わんばかりにボールを開けた。
「ムク?」
むくどりポケモンのムックル。進化系を含めてシンオウ地方西部・中央部ではよく見られるありふれたポケモンで、アモキ地方全域でもその姿をよく見かける特段に珍しくないポケモンであった。
しかしタカシは祖父が愛用していたポケモンという記憶があった。自分がムックルを連れて旅に出るのはきっと運命だったのだろう。
「ムックル、これからよろしくな。」
いよいよ研究所を離れてアモキ地方を回る旅が始まった。最初に目指す町はコトノハシティ。そこまでたどり着くには301番道路を通る必要があった。さて、その入り口にたどり着こうとした途端、さっきの研究員が来た。
「ムックル1体だけでは旅は心細いぞ。さっき渡すのを忘れたけどこれがモンスターボール。これを使ってポケモンを捕まえつつ旅を進めるといいよ。あとアモキ地方のジムに挑む際は3体のポケモンを用意しなければいけないからね。」
モンスターボールをいくつかもらったタカシは、さっそく301番道路に入った。
「確かここら辺虫ポケモンが多いという噂があるんだよな。ン?早速ポケモン見つけたぜ!」
目の前には毛虫ポケモンのビードルがいた。幼虫系のポケモンながら毒針を覚え、なかなかに厄介な種族である。
早速タカシはムックルを繰り出し、ビードルと戦わせた。ビードルは必死に毒針を飛ばすが、ムックルはそれを躱していく。そして体当たりがヒット。ビードルには相当堪えたようだ。
もう一発体当たりが当たった。ビードルももう攻撃の姿勢を見せない。今だ、タカシはモンスターボールを投げてビードルに当てた。ビードルはボールの中に入り、そのまますんなりと捕まった。タカシの人生初のポケモンゲットであった。

ポケモンゲットの余韻に浸っているのもつかの間、301番道路にたむろしている悪ガキたちが目をつけてきた。ポケモントレーナーの世界は非情、目と目が合えばポケモンバトル。

つづく(のだろうか)

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