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91.マリルイ学園CGR
 ┗937

937 :迅
2020/10/15(木) 13:05:43

─警視庁本部─

「CGRか……」
「どうしたんすか?警視」
「ん?あぁ、少し気になる事があってな」
「あの子の事っすか?」

 「概ね合ってる」と一条警視はコーヒーを飲み、机の上に置かれた数枚の資料を眺める。
 最近話題になっている『連続爆破事件』、『メンズスター』なる謎のテロリスト集団、そしてメンズスターの幹部と交戦したとされる女子高生。最近見なくなったCGRについて、何か知ってるのだろうか。

「取り敢えず、俺は警視総監に報告書を提出して来るから、後で飯に行こう。僕が奢るよ」
「マジっすか!?ありがとうございます警視!」

 部下の警官は「よっしゃぁぁぁぁあ!」とガッツポーズし、嬉しそうに執務室を出て行った。

「(あの子は、もしかしたら───)」

 一方、執務室に一人残った一条警視は、赤いランドセルを背負った少女の写真と、赤いマフラーを靡かせる女子高生の写真を眺めていた。

***

「一条警視ねぇ……あの人警視だったんだ」

 一条警視の名刺を見ながら、ルルは意外そうに呟く。警察の階級にはそこまで詳しくないが、警視とはかなりの上の立場である事は分かる。だが、派遣するなら近場の警察署からで十分なはずだ。

「(警察……しかも警視庁のお偉いさんが来るって事は、メンズスターについて何か───)」
「ルル……?」
「ッ!」

 刹那、後ろから声をかけられる。聞き慣れた優しい声色、ルルは声の方に振り向くと───そこには、いつも自分を励ましてくれた彼女がいた。
 
「木村さん……」
「ルルちゃん……大きくなったね……」

 木村と呼ばれた女性は優しく微笑み、喫茶店を指さす。お茶でもしようと言いたいのだろうか。
 2人は、喫茶店の中に入っていった───

「……」
「……」

 のは良いのだが、あまりの気まずさに思わず目を逸らすルル。電話での交流はそれなりにしていたのだが、直接会うのは実に5年ぶりだった。
 それは当の木村にも言えた事らしく、彼女もおずおずとしていたが、やがてゆっくりと口を開いた。

「その……背、伸びたね」
「まぁ、今165ありますし……」
「そっか……もう、昔みたいに『キーさん』って呼んではくれないんだね……」
「そりゃあ、私だって高校生ですし。それに、木村さんも変わりましたよね……色々と」

 木村の容姿は、5年前に比べ少し痩せたように見える。表情もどこと無く落ち着いており、5年前のように快活な彼女はいないのだと思い知らされる。

「それでね、ルルちゃん。よく聞いて───」

【■■■■■■■■■■■■】

彼女のか細い声色は、蝉の鳴き声にかき消されていった。

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