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91.マリルイ学園CGR
 ┗964

964 :迅
2020/10/21(水) 17:32:13

「貴様が……ルル……」
「そうだけど……私の仲間が世話になったようで」

 瞬間、ボーンクラッシャーの背後から赤黒いオーラが滲み出し、ルルの焔も負けじと燃え上がる。
 相対するは『正義』と『征義』、ボーンクラッシャーはグレネードランチャーを構え、ほぼ同時に両手を水平に上げ、無数の炎の剣を生み出すルル。
 彼女はボーンクラッシャーに無数の焔剣の切先を差し向け、睥睨すると目の前の破壊者に告げる。

「死なない程度に……殺してあげる」
「やってみろ」

 刹那、交差する『業火』と『爆炎』。
 ボーンクラッシャーは連続でグレネードランチャーの引き金を引き、雨霰の如く砲口から撃ち出された榴弾の嵐が、走り出すルルの眼前に迫り来る。
 対する彼女は炎の剣を巧みに操り榴弾の悉くを斬り落とし、ボーンクラッシャーとの距離を詰める。両者の距離は約数十センチ。お互いの拳が届く距離に入り、ボーンクラッシャーは予備のナイフを鞘から抜き、ルルは炎を纏った拳に力を込める。

「はぁぁあっ!」
「シャァァァッ!」

 炎を纏ったルルの拳はボーンクラッシャーのナイフとぶつかり合い、その衝撃で周囲が連鎖爆発を引き起こす。2人の戦いについて行けず、玲子は焦りを隠さない口調で冷や汗を流す琴に問いかける。

「琴!ウチらはどないすればええねん!」
「解らない……!次元が違い過ぎる……!」
「2人とも!遅れてすみません!」

 玲子と琴は2人の戦闘に圧倒されていると、遅れて駆けつけた木村が2人の下に駆け寄る。頼れるリーダーの到着に、玲子はマスク越しに笑みを浮かべた。

「キーさん!」
「無事だったんだね……ルルは今、アイツと戦ってるよ」
「私達も加勢します!先に行ってて下さい!」
「おうよ!」
「任せといて……!」

 彼女の声に頷き、スーツによって強化された身体能力を駆使し、2人はルルの下へ走り出す。
 そしてその後ろで、呼吸を整えるべく小さく深呼吸した木村はキズナフォンを構えた両手を前に突き出し、2人と同じ変身コードを叫んだ。

「コミュニティアプリ、起動!」

 彼女の叫び声と共に、薄桃色の突風が木村の身体を包み込む。そして突風はピンク色のスーツを形成し、木村は玲子や琴と同じ姿に変身した。

「風の賢者、ガールズピンク……!」

 変身を終えた彼女は名乗り、渦巻く風の中から一対の双剣を取り出す。

「待っててね……ルル。今、行きますから……!」

 そして、彼女は風を操作して創り出した竜巻の上に乗り、聳え立つ爆炎の柱に向かって飛び立った。

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