アマゾン

スレ一覧
91.マリルイ学園CGR
 ┗997

997 :げらっち
2020/10/28(水) 16:37:34

kotoは白いパーカーにジーンズと言う格好で、ピンクのショルダーバッグを身に着けている。

「じゃあ行こうか。」

そう言うとゲラッチはkotoの小さな手をぐいと引いた。

「あっ、恥ずかしいよ(小声)」

kotoは耳を澄まさなければ聞こえないような囁き声でそう言った。

「もう子供じゃないんだから、つながなくても大丈夫だょ」

しかしゲラッチはこう答える。

「いいじゃないか。つながせてくれ、せっかくのデートなんだからさ。」

「デートとは?(?)」

kotoは気持ち嫌そうにしていたが、ゲラッチはお構いなしでkotoの手に指を絡ませぎゅっと握る。
いつぶりだろうか。
2人がまだ幼い頃…ゲラッチが小学生、kotoが幼稚園などと言う遠い昔に…手をつないで近所に買い物に行った時以来だろう。
手をつないで歩いているという事実だけでも彼を幸福な気持ちにさせるには十分だったらしい。
ゲラッチはkotoを半ば強引に引っ張ってイオンの奥へと進んでいった。


しかしkotoはぴたりと足を止めてしまった。
「どうした?琴美」
「人がいっぱいいゆ(小声)」
kotoはもはやゲラッチ以外の人間には聞き取れないであろうかすかな声でそう言った。
「うぅ…人間嫌い…」
たしかに店内には家族連れをはじめ人が大勢居た。kotoはゲラッチの手を逃れふいっと背中を向けてしまった。

「おのれ、シタラヴァ民共め…!」
ゲラッチはカラフルな銃を取り出した。子供が駆け寄ってくる。
「わー何ソレおもちゃの銃?」
「チート級スパイラルレーz・・・」
「それはだめ!」
kotoがゲラッチを制止した。

kotoはゲラッチの護衛付きでショッピングモールを歩くという奇妙な日常を体験していた。
2人はエスカレーターに差し掛かった。
「先に乗っていいぞ。」
ゲラッチがkotoにそう促す。しかしkotoは足を踏み出さない。
kotoはエスカレーターの動きを見つめた後、ちょんと一歩踏み出した。そして恐る恐る両足を段差に乗せた。
ゲラッチは妹にこんな癖があった事を思い出して謎の感動を覚えながらkotoの2段後ろに乗った。
そして今やっと2人の身長が同じくらいになっているのに気付いた。1段登るとゲラッチの方が高くなる。そして上階に到着しエスカレーターが平面になると、kotoの頭頂はゲラッチの顎くらいの高さまで下がった。
これを見てゲラッチは可笑しいような愛しいような気持ちになってしまい、後ろからkotoの肩をぎゅっとつかんだ。
然し。
「どわあ!」
天と地がひっくり返った。ゲラッチはkotoに腕を掴まれ捻り倒されていた。


「あ、お触りは厳禁ですよ?」

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP