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┗91.マリルイ学園CGR(1-20/1000)

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1 :げらっち
2020/07/15(水) 22:58:15

マリルイ部長げらっちです。
今回は雪華や黒帽子と共に原案を練ったマリルイ部員の出る戦隊小説、「CGR(コミュニティガールズレンジャー)」を書いていきます。
感想やツッコミ、予想や要望なども書いてくれてOKです。

ではスタート!

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2 :げらっち
2020/07/15(水) 23:02:04

第1話

「私と契約してCGRの一員になってよ。」


知らないお姉さんが私の前に仁王立ちしてそう言っていた。
「ねえ。」
何この人。年甲斐もなく全身フリフリのフリルなんか着て、ちょっと変。そこ車道の真ん中だし。
「きみだよ、きみきみ。」
独り言?それとも私に話しかけてるの?私、下校中なんだけど…
「そこの君!!無視するのはよしなサイダー!!」
「は、はいっ!?(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」変なおねーさんに肩をつかまれて、私は遂に返事をしてしまった。すごい勢いでつかまれたのでやや後ろのめりになり、ランドセルの蓋がパカっと開いた。
「反応カワユス(笑) そう、君こそがCGR5人目の戦士です!!」
「はぃいいい!?」肩をつかまれガクガクと揺らされたので、ランドセルから教科書やノートが飛び出し地面に散乱した。次の台詞が無ければ、私は防犯ブザーの紐を引いていただろう。

「雑誌に載れますよ。」


CGR…
ニコ☆プチやキューーガルに並ぶ新しい小中学生向けのファッション誌だろうか?
そう言えば最近クラスのマリナちゃんが雑誌にスカウトされてたっけ。マリナちゃんたらクラスの人気者になってたな。
ま、自分で言うのもなんだけど?私は他の子より…可愛いほうだし
もし私が雑誌に載れるとしたら…!
これはチャンスっっ✨

そんな軽い気持ちで、私はお姉さんの運転するリムジンに乗ってしまった。だがすぐに後悔することになる。
バタン!
「え、ちょ(_▫ □▫/) 」
私が乗った瞬間窓にブラインドが下ろされ、車内は完全に真っ暗になった。そして壁を挟んだ運転席からお姉さんの怒声が聞こえたのだった。
「行くぜえええええ!!」
リムジンが急発車すると私はシートに埋まってしまい、リムジンが急に曲がると私はつんのめって空中を3回もでんぐり返ししてしまった。つまるところ、絶叫コースターより恐ろしかったのである。

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3 :げらっち
2020/07/15(水) 23:02:40

「着きましたよ…」

ハッ
どうやら私はあの後車内で気絶してしまったらしく、周りは真っ暗だった。未だに胸が苦しい。あれ?動けない…

スルッ
「あれ」
私は目隠しをほどかれて初めて、自分が車内から移動していたことに気付いた。そして自分の体を見ると……
「なにこれええええええ!!!」
椅子にぐるぐる巻きで縛られていた。これでは苦しいわけだ。
周りを見渡すとさっきのお姉さんに加え、4人の女子が私を取り囲んでいた。

「この子が5人目ですか?」
「へー。可愛いじゃんw」
「どんなこなのかな?きになる」
「それなwwwwwww」
顔をじろじろ見られながら何かひそひそ話されるとちょっち恥ずかしい。自分の顔は見れないが、多分私の顔は今真っ赤…
その一方で、私の中に少しずつ冷静さも戻ってきた。きっと周りにいるのはモデルの先輩たち。これは面接か何かに違いない。変わった面接だな…

「それじゃあ自己紹介してみて下さい(笑)」と、お姉さん。
「え…」
この状態でやるのか。
私は緊張で足をブラブラさせながら、ものの5秒程度で言うべきことをさらっと頭の中でまとめた。授業での発表と同じだ、ゆっくり丁寧に、言いたいことを3つにまとめて、自分の一番言いたいことだけを強調する…

「私は猫野瑠々、小学6年生です。友達からはルルちゃんって言われてます。えーと、趣味は読書、特技は一輪車と速読です!よろしくお願いします!!」

わかってはいたのに最後はかなり早口になってしまった。私の悪いクセ…
そして縛られているのを忘れて深々とお辞儀をしてしまった結果、私の胸は強く締め付けられ苦しかった。
加えて、一番の特技である「お絵描き」を言い忘れた……最悪…

しかし
パチパチパチパチ
皆が拍手してくれたのだった。私はずっと止めていた呼吸を再開した。
「へー、ルルちゃんって言うんだ!私は潤だよ、よろしくね(`・ω・´)」
「僕はキーと言います。仲良くしましょう(❁´ω`❁)」
「私はタレ。よろしくぴよ」
「うちはりんご!よろぴくーww」
私は適当に頷いていたが、一気に言われたので全然覚えられない。然し受け入れてくれたのは事実のようだ。緊張が解けると思ったらそうでも無い。不安が込み上げてきた。
私、これで本当にモデルになったの?これから何をするんだろう…

タレ「雪華司令官!この子が5人目の戦士なん?」
え、司令官?編集長じゃなくて…?
そして今何と…戦士!?
雪華「そうです。ルルにはCGR、コミュニティガールズレンジャーの一員として戦ってもらいます!!」

ルル「えええええええええええええええええええええええええええ!?」
私はまた縄の存在を忘れており、立ち上がろうとしてバランスを崩し椅子ごと横にひっくり返った。

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4 :げらっち
2020/07/15(水) 23:03:16

きっとこれは変わった特撮雑誌か何かだ…
ルルは不安に思いながらも先輩たちとチャリンコで並走していた。みんな随分とスピードが速く、付いて行くのに精いっぱいだ。
何故こんなことになったのかと言うと…

 ルル「戦士ってどういうことですか!?」
 雪華「まあまあ、落ち着きなさい。この4人はCGRの戦士です。世界では女子同士がいじめあっています。でも、私たちは違います。私たちはキズナパワーを持っており、その力で戦うことが出来ます。また、私たちの使命は、キャスストーンという石を集めることが使命です。キャスストーンを7つ集めれば、キズナパワーを世界中の女子に届けることが出来るのです。でも、キャスストーンを狙っている悪人もいるので、キャスストーンを守るのがCGRの使命です。」
 ルル「(よくわかんない…)」
 雪華「1つ目のキャスストーンは、私が小説大会の残念賞として先日ゲットしました。1つ目のキャスストーンの輝きに、次のキャスストーンの在処が示されています。」
 ルル「ほえー」
 キー「早速出動ですぅ!」

…というわけだ。

一行はチャリンコで町はずれの林に到着した。チャリンコを乗り捨て歩く。
タレ「初の実戦たのしみwwww」
りんご「5人そろうまでは訓練しとけって言われてたからねー(;・∀・)」
キー「訓練は大切ですよー❀.(*´ω`*)❀.」
潤「もぐもぐ。ポテチ美味しい~」
ルル「…」
ルルは無言で4人の半歩後ろをついて行った。訓練…?そんなに過酷な撮影になるのだろうか。アクションもやる系のモデル?運動はあんまり得意じゃない。既に枝をポキポキ踏みながら歩いていたため、足の裏が痛い…
りんご「見っけた!あれじゃない?www」
タレ「おお、まさしくあれがきゃすすとーん(てきとー)」
キー「木の洞に嵌ってますねえ」
目の前にそびえたつ大木、キーが細長い指で石をほじくり出した。綺麗な煌めき…
その時だった。

「キノキノ~!!」
ルル「わわっ!?」
ルルはオーバーなほどに驚いて尻もちをついてしまった。
足元に何かいる。そいつは一見キノコのようだったが、顔が付いており、しかもその顔が妙に凛々しい太眉だった。
き、気味が悪い…
「オイラはキノコ怪人、超ウルトラハイパーグレートキングキノボー!」
そいつはキーキー声でそう喋った。こんなに小さくて滑稽なのにキングなのか…ルルは何故かちょっと笑いそうになり顔が引きつった。
「石頭ずつき~~!」
!!
キノコがこちらをめがけて弧を描いて飛んで来た。やばい。腰が抜けて動けない…!

バキッ
「ギノ~~!!!」
タレのキックがクリーンヒット、キノコは数メートル吹き飛ばされて草むらの中に消えた。
タレ「おい大丈夫かしっかりしろ」
ルル「あ、ありがとうございます💦」
りんご「今回はうちらだけでやるからルルちゃんは下がってなーww」
潤「最初は先輩たちの戦い方を見るのも大事!(`・ω・´)」
キー「それじゃあ行きましょう( •̀ω•́ )✧ 」

4人はルルの前に歩み出て、スマホのような端末を取り出して目の前にかざした。4人は色違いの同じ機種を使っているようだ。そして4人で声を合わせこう叫んだ。
「コミュニティアプリ起動!」
りんご「電気の使者!ガールズイエロー!」
潤「水の覇者!ガールズブルー!」
タレ「草の猛者!ガールズグリーン!」
キー「風の賢者!ガールズピンク!」

4人「コミュニティガールズレンジャー!!!!」

本日は驚くことずくめだが、ルルは今度こそ本当に愕然としてしまった。
何しろ目の前で4人が、幼稚園の頃TVで見たようなヒーローに変身したのだから。

「ぶんれつキッノコ~~♪」
名乗りが終わるのを待っていたように、草むらから大量のキノコが飛び出した。
タレ「頭数だけふやしてもむだだね!ははは」
キー「春嵐!」
キノボー「うわああああ」
キーが宙を指でなぞるとピンク色の風のようなものが現れ、大量のキノコは四散した。
りんご「潤、コンビネーションだ!さんだー!ww」
潤「あいよー。すぷらっしゅ!」
キノボー「あべべべべべべべ」
大量に撒かれた水に雷が感電し、キノコは猛烈に痺れた。そして本体を除くすべての分身が消滅した。
タレ「これでとどめ!生えろ草!」
キノボー「くさ?笑笑そんなものが何に・・・」
ズバーッ
キノコは地面から突如生えた巨大な蔦に吹き飛ばされ、空の彼方に飛んで行った。それはまるでアニメで見る悪役のようにきらりと光って消えた。

タレ「お星さまになったぉ☆」

ルルはもう一度気を失った。

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5 :げらっち
2020/07/15(水) 23:04:31

~こちらメンズスターアジト~

「今日もゲラプチーノがうまいなあ。」
富士山の上空に浮かぶこの場所で寛ぐのはメンズスター日本支部部長、ゲラッチその人である。

「おい!いつまでのんびりしていやがる!起きろ!町をぶっ壊しに行く時間だぞ!」
そこに入って来たのはメンズスター幹部クロボー師。黒いスーツをきっちり着こなし黒いシルクハットをかぶっている。

「そうですよ叔父貴ィ!そろそろCGRの連中の動きも気になりますし…」
もう一人、彼も幹部の迅という男。いかつい風貌で体の半分を機械化しているようだ。

「なあに問題ない。CGRは最後の1人を見つけるまでは動けん。そうとも雪華、あの女は優柔不断なのだし。あはっはっは…」
部長はソファから立ち上がり高笑いした。その時、後ろの富士山を一望できる窓が割れ、何かが飛び込んできた。

ゴガッ!
ゲラッチ「はが!」
キノボー「た・だ・い・までずぅ~」
クロボー師「てめえはキノボー!何だもう帰って来やがったのか?偵察してきますって意気込んでたのは何だったのォ!?リップサービス?」
今やズタボロのキノボーが逆様の状態でゲラッチを押し潰している奇妙な状態になっていた。
キノボー「ほ、報告します…CGRは今日も快調、5人目のメンバーが見つかったようでっす…ガクッ」
迅「あんだってえ!?こりゃ潰しに行くしかないっすねえ叔父貴!」
ゲラッチ「いーからキノボー、私の頭の上から早く降りろ!!!」


場所を戻し、こちらCGR…

雪華「あなたはCGR5人目の戦士にして最も重要なエレメントを操る、炎の勇者ガールズレッドとなるのです。」

ルルは小一時間スマホのかざし方を練習させられているのだった。
いや、変身の仕方を、だった。
「コミュニティアプリ起動!」
何度もそう叫び、スマホをかざす。そして変身のポーズを取る。
しかしどうしてもアプリは「起動」されず、何度やっても変身できない。
この動作、はっきり言ってスクワットの10倍は疲れる。
しかしもう100回はやった。休憩もナシで。
疲労ももう限界…

りんご「ちゃうよーwwもっと腰を低く、素早くーwww」
キー「一向に上達しませんね…( ´ ཫ ` )」
タレ「これいつまでかかんの?わるいけどかえらせてもらうよ私。明日ライブあるので。」
潤「zzz…」

…先輩たちはなんかうざい。
外野でがやがや言ってるだけじゃん。他人事だと思って。
「コミュニティアプリ起動!」

雪華「ポーズも大切だけど、それより大切なのは心、キズナパワーを高めることですよ。」

そんなのわかってる。わかってるよっ
「コミュニティアプリ…」
「…」

雪華「…あれ、ルルちゃんどうしましたか?」
ルル「もうやりたくない。」
雪華「え?」
ルル「もうこんなのヤダ!!」
ルルはスマホを目いっぱい床に叩きつけた。

キー「きゃあ!」
りんご「ちょっとー!それ大事な変身アイテムだよー!」
雪華「そうですよ。あなたには、ガールズレッドとして戦う義務があるのです。あなたには、素質があります。」
ルル「…私じゃなくてもいいじゃないですか。素質なんてありません。私はここを辞めさせてもらいます。」
雪華「…」

ルルは建物を後にした。
部屋には傷ついたスマホが置き去りになっていた。

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6 :げらっち
2020/07/15(水) 23:05:13

ルルはCGRの基地を背にして道を歩いていた。田舎道だ。
しかしさっき見たことのある電車が通り過ぎて行った。線路に沿って歩けば駅に出る。そうすれば家に帰れるはず…
日も暮れかかり、ルルは今日1日の出来事を何とか忘れようと試みた。
だが忘れられない。

その時。

爆音。

振り返ると、黒煙が立ち上がっている。
「あっちはCGRの…」
ルルは走った。

建物は火に包まれていた。
「あはっはっは!我ら3人が出向けばCGR壊滅など容易い!この2つのキャスストーンは貰っておこう…」
中から知らない男の高笑いが聞こえる。
ルルは恐る恐る建物の中を覗いた。するとそこには、雪華司令とCGRの4人が縛り上げられ、男3人に囲まれていた。ルルはつい「あっ…」と声を漏らしてしまった。
「生き残りが居たか!」
怒声と共にルルの隠れていた壁が粉砕し、声の主が目の前に姿を現した。

何という奇抜な格好だろう。その男は色とりどりでちぐはぐな服装、デカいメガネのようなものをかけていた。
「お前がCGR5人目の戦士だな。私はメンズスター日本支部部長、ゲラッチ。以後よろしく。」
ルル「…」ルルは立ったまま動けなくなった。
潤「ルルちゃん、逃げてー!」
ゲラッチ「ほう、お前はルルという名前なのか。どうだ?ルル、私の仲間にならないか?」
ルル「へ」
ゲラッチ「我がゲラッチ王国の一員となって私を崇めて暮らすのならば命だけは助けてやろう。その証に、このゴスロリ服を着るのだ。」
ルル「いいやー!」
ゲラッチ「断るというのか?それならば…チート級スパイラルレーザー!」
光線がルルをかすめ、服の一部が焼け落ちた。
キー「馬鹿な…光線はスパイラルしないはず…:(´◦ω◦`):」
ルルは光線を避けながら、ゲラッチの手元を見た。ゲラッチは腕を回転させながら銃を放つことで光線がスパイラルするように見せかけていたのである!何というイカサマ。
だがその光線の弾幕を受け、ルルの服はボロボロになっていた。
ゲラッチ「さあルル!このゴスロリ服を着ろ!」

クロボー師「やれやれ、ゲラッチの幼女愛好癖が出ちまったなw」
迅「これだから叔父貴は…」
こちら2人組はCGRのメンバーたちを取り囲んでいた。
クロボー師「よし、こっちはこっちで片付けちまうか。」
迅「了解っす!ヴェハハハハハハハ!!」
クロボー師は小型の銃、迅は大きな二刀流の刃を取り出した。
タレ「うっわ!こいつらマジやん!たすけて~~!!」
雪華「…!」

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7 :げらっち
2020/07/15(水) 23:05:45

その時、ルルの心に火のようなものが付いた。
あの時私を守ってくれたみんな。歓迎してくれたみんな。
そしてルルは、足元にあのスマホが落ちているのを見つけた。

ゲラッチ「どうした、降参かい?私の仲間になるならたっぷり優しくしてやるがね。」
ルル「…うるさい。お前の仲間になんか、ならない!」
ルルはスマホを拾い上げた。

「コミュニティアプリ起動!」
起動できるのは最初からわかっていた。スマホのひび割れた画面が光り、ルルの中に湧き出した炎のようなものが次第に大きくなるのを感じた。そしてそれはオーラとなって全身をまとい、肌が熱いものに包まれた。気が付いた時には、ルルは赤色の戦士に変身していた。
「炎の勇者、ガールズレッド!」

ゲラッチ「な… って、このいきなり耳の中で響き出したテーマ曲みたいのは何!?まさか空耳?」
ルル「喰らえ悪者、スパイラルフレアー!!」
今度は本当にスパイラルしている炎がゲラッチをぶっ飛ばし、CGRのメンバーを拘束していた縄を焼き切った。
潤「よくもきつーく縛ってくれたなー!ビッグウェーブ!」
束縛の解けた潤の起こした大波によってクロボー師と迅は吹き飛ばされ、基地の炎は鎮火した。
りんご「助かったー!」
タレ「サンキュールル!今こそ5人の力を合わせるぞ!」
ルル「はいっ!」

りんご「電気の使者!ガールズイエロー!」
潤「水の覇者!ガールズブルー!」
タレ「草の猛者!ガールズグリーン!」
キー「風の賢者!ガールズピンク!」
ルル「炎の勇者!ガールズレッド!」

5人「コミュニティガールズレンジャー!!!!!」

どっかーん
せっかく消火したのに5人の背後で爆炎が上がった。
ルル「何ですか…これ。ヒーロー特有のエフェクト?」
雪華「違います。私が仕掛けたんです。かっこいいでしょ?(笑)」
りんご「ちょい!」
潤「wwww」
タレ「草」
ルル「いいからあの悪人たちをぶっ倒しちゃいましょう(⌒‐⌒)」ルルは吹き飛ばされてぶつくさ言ってる3人組を思いっきり指さした。仮面を被ってはいるが笑顔なのがわかるほどの憎悪を振りまいて。

ゲラッチ「くっ…お前案外Sだったのか…そゆとこも萌えr」
クロボー師「ここでやられたら悪役の神様に笑われちまうぜ。茸野郎!」
キノボー「はいはーい!」
あのキノコ野郎が飛来した。今度は羽が生えている。
タレ「まだいきてやがったのかあいつ。」

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8 :げらっち
2020/07/15(水) 23:06:22

クロボー師「さあやっちまえ、パタキノボー!CGRをブッコワース!」
キノボー「お任せください、今度はしくじりませんよ笑笑」
羽の生えたキノコ野郎は、さらに頭の上に爆弾まで括り付けていた。
キノボー「こいつを投下して奴ら全員まとめてやっつけちゃいます!そうしたら僕をメンズスターの幹部にしてくださいね!」
ゲラッチ「当たり前だ。さっさとやってこい。」
キノボーが目を輝かせCGRをめがけ飛んだ後、ゲラッチは小声でこう呟いた。
ゲラッチ「馬鹿め。お前ごとドカン!だ。私に抜かりはない。まったくもってチート級…」

タレ「きのこがとんできやがったじょ。」
キー「まずいです、爆弾を所持している模様ですぅぅ!」
ルル「いいんですよ!それを逆に利用しちゃいましょう。私に作戦があります✨」
ヒソヒソ…
りんご「うわー、きみ案外ワルだねーww」
何か作戦があるようだ。そうとも知らず飛来するキノコ。

ルル「行きますよ!」
タレ「おけ!リーフブロック!」
巨大な葉っぱが現れ、キノコは勢い余って衝突し落下してきた。
潤「ウォーターキャッチ!」
空中に水の塊のようなものが現れ、キノコはそこに墜落した。
ゲラッチ「ゲッ!爆弾の火が消されたか…?」
キー「さあお返しですっ!ウィンドレシーブ!」
りんご「びりびりトース!」
キーの起こした風によりキノコは再び空中に投げ出され、りんごの出した電気でさらに高くまで打ち上げられた。そしてルルの元へと落下する。

ルル「喰らえ、ファイヤースマッシュですううううううううう!!」

炎をまとった渾身のスマッシュがキノコを吹っ飛ばし、同時に爆弾を再着火させた。

迅「げっ、叔父貴、キノボーこっちに帰ってきますよ」
ゲラッチ「ダニィ!?」
キノボー「た・だ・い・までずぅ~♡」
ドッカーーーーン!!!
ゲラッチ「ぐわーーーーーーーー」
クロボー師「ウボワァ~」
4人は跡形もなく吹っ飛んだ!と思われた。

ルル「あれ、生きてる…?」

迅「服がボロボロになっちまったぜ。ったく舐めたことしてくれるじゃねーか、」
幹部3人はピンピンしていた。
キノボー「僕は体もボロボロですぅー泣」
ゲラッチ「この私に敗北はない…誰の責任だ?」
クロボー師「いっせーの…」
「せ!!!!」
ゲラッチ、クロボー師、迅の3人がキノボー、キノボーはクロボー師を指さしていた。
ゲラッチ「キノボー、負けたのはお前のせいだ!我々は撤退する!バイバーイ!」
キノボー「ええええー!!ひどいです・・・」
幹部3人は瞬間移動のような技を使って消えた。

キー「勝った…みたいですね。」
りんご「ヤッターwwww」
雪華「ルル、お疲れさま。あなたのおかげでキャスストーンを奪われずに済みました。これこそがキズナパワーです。」
ルル「はい…!」
ルルは変身を解除し、雪華と抱き合った。ちょっと照れ臭かった。


一方アジトに敗走した3人…
ゲラッチ「ひー、疲れた。風呂入って寝よ。」
迅「叔父貴、今夕飯作りますぜ。」

「おい!!!君たち!!!」

クロボー師「なんだ?」
ゲラッチ「本部からの通信だ!お前ら、頭を下げろ!」
幹部3人は深々と頭を下げた。
ゲラッチ「リッチヅノー様だ!!」
スクリーンが下りたが、そこにはSOUND ONLYの文字が表示されるのみで、顔は映らなかった。そして声が流れ始めた。

リッチヅノーの声「君たち、失敗続きだね…w一体僕たちの目的は何だと思っているんだい?ww」
ゲラッチ「え」
ゲラッチは顔を上げ、2人と顔を見合せた。
ゲラッチ「ゲラッチ王国の建国…」
クロボー師「日本の街をブッコワース…」
迅「鯛茶漬け食べたい…」
リッチヅノーの声「まったく…君たちは揃いも揃って、頭の悪い無能な連中ばかりだね!w ひゃははははは!!」
スクリーンから稲妻が走り、幹部3人はその一撃で倒れた。
ゲラッチ「リッチヅノー様…お許しを…ガクッ」

後日談
ルル「…ところで、雑誌に載れるって話は…」
雪華「載ってるでしょ。ホラ週刊誌に。」
ルル「仮面の5人組、悪人を撃退…?ってこれ、顔うつってないじゃん!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」

つづく✨

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9 :げらっち
2020/07/15(水) 23:08:05

第2話

ガールズレッド………ルルは普段は普通の小学生。髪はミディアム、背は平均よりちょっと低いくらい。いたって平凡だ。
今もここ、真理類学園6年2組で1時限目の授業を受けていた。

先生「…理科の特別講師として夢中深夜先生をお呼びしております。皆さんは3・4時限目の実習で会うことになりまs…」

ルルは一番後ろの本棚の隣の席。足をブラブラさせながら、先生の話など殆ど聞いていなかった。
先日のCGRの戦いのことばかりを考えていたのである。
最初はあんなに嫌だったのに、戦った時は嫌気も恐怖も吹っ飛び、ワクワクしてしまった。ヒーローに変身して悪を倒す私、カッコいい…
ルルはプリントの端に変身した自分の似顔絵を描きあげた。
すると、ぼーっとしていたルルの耳の鼓膜に、嫌でも響いてしまうあの3文字が入ってきた。
先生「…最近この学園でいじめが流行ってるとのことです。このクラスではまだ無いようですが、いじめは悪いことだと認識し、見かけたらすぐに先生に報告して下さい。」

いじめ…
その嫌な響きはしばらく鼓膜と脳の間を行ったり来たりしていた。
まあ、私はいじめを受けてはいない。大丈夫…

キーンコーンカーンコーン
1時限目の終業ベルが鳴り、教室は一気に騒がしくなった。立ち上がる人、大声で友達と喋る人。
ルルは道具箱から本を取り出して読み始めた。その時。

「ルルちゃん?おっはー💘」
ルル「あ…みうちゃん」

ルルの机の前に、クラスメイトの犬又美羽が立っていた。その後ろには取り巻きの女子が2人立っている。美羽は背が低めで、取り巻きは背が高い。
美羽「ルル~?この前約束したポスターのイラスト、描いてくれた?」
ルル「あ…」
美羽は学級委員を務めており、掲示委員のルルにポスターの作成を頼んでいたのだ。しかし、ルルはCGRの一件もありそのことを今の今まで完全に忘れていた。
ルル「忘れてた…ごめん。」
ルルはあまり美羽とは目を合わせず、後ろの取り巻き2人を見たりしながらモゴモゴと答えた。この2人、いつも美羽の右後ろと左後ろで位置が固定されているようだ。名前が思い出せない。
美羽「忘れてたの?それって、いいことー❔」
取り巻きA「悪いことでしょwwww」
取り巻きB「それなですwwwwwww」
取り巻き2人はきゃははと笑った。
ルル「ごめんね、美羽ちゃん。明日までに完成させるから待っててね。」
美羽「いいよ➰ でも明日また忘れたら、先生に言うからね➰」

美羽と取り巻きは去って行ったが、去り際にCGRの絵を描いていたプリントにクシャッと折り目を付けていった。

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10 :げらっち
2020/07/15(水) 23:10:48

2時限目の算数の授業が終わった途端、ルルは席を立った。そう、終業5分ほど前からおしっこを我慢していたのである。
やばい。
ルルはそそくさと早歩きで廊下を駆け抜け、何とかトイレに到着、個室に入り用を済ませた。

ルル「よっと。」
ルルは個室から出て洗面台に向かった。確か3・4時限目は理科の実習。早く教室に戻って教科書を取り、実習室に向かわなきゃ…
その時。

ルル「いいっ!な、…」
突然体に重力を感じたと思いきや、多量の水が滴り足元が濡れるのがわかった。一瞬何が何だかわからなかったが、すぐに、誰かがルルに水を被せたのだとわかった。
ルル「何!?」
振り向くと、トイレの用具入れの影から美羽の取り巻きAが現れた。手にはバケツを持っている。
取り巻きA「あっ、ごめーんwww手が滑った。」
ルル「何するの?」
取り巻きA「は?ごめんって言ってんじゃん。みうっちー!」
すると美羽と取り巻きBがトイレに入ってきた。
美羽「瑛那ちゃんどうしたのー?」
取り巻きA「みうっち、ルルがー、わざとじゃないのに、うちがちょっと水をこぼしたからって攻めるのー。」
美羽「へえー?」

ルルは自分の心臓がバクバクするのを感じた。
なにこれ。
すごい嫌な感じ。

美羽「ルル、先生みたいに友達を怒るの?それって、いいことー❔」
ルル「違うよ、私は怒ってないよ、ただ、服が濡れちゃったから…」
美羽「うわ、きったなーい。」
ルルの服はベタベタに汚れていた。どうやらかけられたのはトイレを掃除した水だったらしい。そして美羽達3人が、用具入れからモップ3本を取り出し手に取った。
美羽「お掃除してあげるよ➰」
今やルルはトイレの隅まで追いつめられていた。体が燃えるように熱い。逃げたい。ここから逃げたい…
美羽「ルル、最近なんか生意気ー。ちょーっとかわいいからっていい気になってなーい?ボーっとしてポスター作らなかったし。私、そういう子嫌いなんだけどー。」
取り巻きB「それなですwwwwwww」
ルルは泣き目になりながら、目をつぶって身を低くし走り出した。3人の合間を縫ってトイレからの脱出を試みた。
しかし次の瞬間。

ルルは額にモップの鈍い一撃を受け倒れた。

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11 :げらっち
2020/07/15(水) 23:13:26

みーんみんみんみー…

真理類学園裏門の前に、2人の少女が立っていた。
1人はセミロングの茶髪、もう1人は黒髪をポニーテールにしている。2人とも揃いの制服を着て、どこかの中学生のようだ。
「なつかしいなー、真理類学園www」
「まさか3つ目のキャスストーンの在処がここを示していたとはな。びっくり。」
その2人はりんごとタレだった。
「ルルは今授業中かなー?」茶髪の方はりんご、パリピよろしくシャツをルーズにはみ出させ、髪いじりを癖にしている。
「ほんまに授業抜けてきちゃって大丈夫だったんかな。あとでおこられたらかなしい。」黒髪の方はタレ、りんごより一回り背が高く、こちらはきっちりと制服を着こなしている。

りんご「仕方ないよー、急に司令からラインが来たんだもんwwそれに、ルルの様子を見てみたいジャンwwwww」
タレ「せやな。あのこ大人しそうだからいじめられてないかちょっちしんぱいやし。」
りんご「大丈夫、ここはいじめが無いので有名な学校だからねー❕」
タレ「そうなのか。私は中学入る時関西から越してきたからな。知らん。」
2人は中1の関東人&関西人コンビなのだ。

りんご「じゃあ入ってみよう。お邪魔しまーす( ・∀・)」
タレ「あほ!そーっと侵入するんだよ!」


~一方こちら富士山上空、メンズスターアジト~

迅「叔父貴ィ!調子はどうだい!?」

サロンではゲラッチとクロボー師がチェス盤を挟み合って対極の真っ最中であった。

ゲラッチ「CGRのラインを盗聴した結果、3つ目のキャスストーンは真理類学園という場所に隠されていることが分かった。」
クロボー師「だが詳しい場所はわかってないんだろーが。」
ゲラッチは白、クロボー師は黒の駒を扱っている。
ゲラッチ「まあ安心しろ。既に学園に刺客を送り込んでおいた。まったくもってチートky」
クロボー師「あいよー、チェックメイト。」
ゲラッチ「ダニィ!?」

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12 :げらっち
2020/07/15(水) 23:14:50

記憶が飛んでおり、自分が何故そこにいるのかわからない。

ルルはトイレの個室の中に倒れていた。
ややあって記憶が戻ると、今度は恐怖に襲われた。
みうちゃんたちに暴力を振るわれたんだ…
これがいじめ、本当にこんなことってあるんだ。
怖い。
どうやらあの後モップで手酷く殴られたようで、頭がクラクラした。
そして立ち上がると、足が濡れるのを感じた。
トイレのタイルはびしょびしょに塗れており、自分は裸足だった。
上履きと靴下を取られた…
ルルはとにかくここから出ようと思った。
しかし、扉が開かない。
閉じ込められた……!

ルルはパニックに襲われ、大声を上げた。
「たすけて!!」
しかし誰も居ないようだった。もう3時限目の授業が始まってしまったのだろうか。
ルルはその身軽さを活かし、壁をよじ登り上の隙間から脱出する術を思いついた。身長が届かないが背伸びをし、鍵に足をかけ壁のへりに手を伸ばす。すると。
「っだあああ!」
手に激痛。
へりにはびっしりと画びょうが敷き詰められていた。何という陰湿さ…!

もう駄目だ、大幅に授業に遅れてしまった。先生に怒られる…焦りからルルはパニックを起こし、いつの間にか目から涙があふれ出していた。
たすけて。
怖い…怖い……
その時。

バーン!!
「!」
扉が外側から開き、光が差し込んだ。そこには見覚えのある2人が立っていた!
タレ「だいじょうぶか?」
ルル「せ…せーーんぱーーい!」ルルはタレに飛びついた。
タレ「おい!おまえ顔も体もぐしょぐしょだぞ!抱きつくのは拭いてからにしてくれ!」
ルル「あ、ずいまぜん。」
ルルはささっと涙を拭きとった。
りんご「全く酷いことするよねー💢僕ちんの世代はいじめなんて無かったんだけどねwwww」
ルル「りんご先輩も、ありがとうございます。どうしてここがわかったんですか?」
タレ「こいつに偵察させたんだじょ。」
キノボー「キノキノ~!」
ルル「あ…こいついたんだ(▪-▪)」
タレの後ろから前回の敵、キノボーが現れた。そう言えばメンズスターに捨てられたとか何とかで、CGRに寝返るって言ってたっけ。
キノボー「ルルさんが凹されてトイレに担ぎ込まれるのを見たから報告したんですよ笑笑笑」
ルル「え…てことは見てたのに止めてくれなかったの?」
キノボー「あ。そういやそうですねえ。」
タレ「ちゃんとはたらけやきのこ( ·ω·)┌┛( :⁍ 」 )_」
タレに思い切り踏み潰され、もともと小さかったキノコの身長がさらに半分に縮んだ。

ルル「それより2人は何でここに?」
りんご「実はこの学校のどこかにキャスストーンがあるらしいwww」
ルル「ほえー、それってどこですか?」
タレ「なんか2個目のストーンの光を解読したら、“真理類学園でしんのゆうじょうを見つけし時石は現れる”みたいな内容だったらしい。くそきれいごとやとおもうけど。」
りんご「ほんそれwww」
ルル「別に、綺麗事じゃないと思います。」
タレ&りんご「あっすいません。」

ルルはトイレの窓から下を見た。自分の上履きと靴下がはるか下の校庭に捨てられていた。胸が締め付けられるように痛む。
それと同時に、2人の話を聞いて何か閃きのような、納得のようなものが心の中に生まれていた。
もしかしたらみうちゃんは…
そうだ、きっと違いない。
みうちゃんがあんなことをしたのも、メンズスターが絡んでいるんだ!
ルルはそう信じた。
そう信じたかった。
たしかにみうちゃんは、ひがみっぽい性格でクラスの皆から嫌われていた。でもみうちゃんは、私の大切な…
友達。
ルルは廊下に飛び出した。

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13 :げらっち
2020/07/15(水) 23:18:24

予想以上の大惨事だった。

廊下から教室から、そこら中から悲鳴が聞こえた。
「うわああああああ」
「きゃあああああああああああ」
男子も女子もめちゃくちゃにいじめ合っている。
殴る、蹴る、机を倒す、ひざかっくんする、ランドセルを取り上げ投げる。
ルルは廊下を走り抜け、自分の教室6-2に戻った。誰も居ない。ルルは自分のロッカーからスマホを取り出すと、今度は階段を駆け下り校庭に飛び出した。
理科の実験室は校庭の反対側の別校舎にあるのだ。

校庭では先生たちがよってたかって校長をいじめていた。
さすまたをもってうずくまる校長の尻を叩いている。
先生「いつもエバリやがってええ!!」
校長「助けてくれー!許してくれー!」
これには、さすがのルルもちょっと笑いそうになってしまった。

ルルはその喧騒を傍目に走り抜けた。いじめを受けていた時の恐怖心は吹き飛び、勇気、そして高揚感に包まれていた。何故だろう、ワクワクする。また戦える…
りんご「ルルはやーいwwww」
タレ「ぴえーん!ちょっと待ってー!」
ルルは先輩2人が校庭の半分を横断しきらない所で既に新校舎に到着していた。
実験室の中から不気味な声が響いた。

「さあ諸君!目を閉じて私の声を聴くのです!」

2人も息を切らしながら追いついて来た。ルルは実験室の扉を思い切り開けた。
ルル「!」
そこは真っ暗だった。
そして暗闇に無数の赤い点が浮いていた。
目を凝らしてよく見ると、それはルルのクラスメイト達の虚ろな目だった。
りんご「うっわナニコレナニコレ」
タレ「きっっっっしょ!!!」
ルル「しーっしずかに!」
クラスメイト達は教壇を一点に見つめていた。
教壇には白衣を着た男が立っていた。
男は2本のΓ型の棒を持っており、その先が妖しく赤く光っていた。オカルトテレビで見たダウジングのようだ、とルルは思った。
その棒をゆらゆらと揺らしながら、男は呪文のようなものを唱えていた。

「イジメ万歳・・・イジメ万歳・・・イジメ万歳・・・イジメ万歳・・・イジメ万歳・・・イジメ万歳・・・!!!」

それを聞いた生徒たちは、まるで操られたかのようにその言葉を復唱していた。
ルルは思わず叫んだ。
「みんな、目を覚まして!!!」

呪文がぴたりと止まった。
その代わり、今や全ての赤い点がこちらを凝視していた。
教壇に立っていた男がこちらに歩み寄ってきた。

「おやおやおチビちゃん!私の邪魔をする気かい?」

ルルは純粋にムカッとした。何しろその男はルルよりも背が低かったのだから。
ルル「うるさい!私の友達に何をしたの?あなた、メンズスターの一員ですね!?」
「ほう!そうかそうか、貴方がルル様だね!部長から話は聞いてるよ!」
男は白衣を脱ぎ捨てた。

「私は夢中深夜…またの名を洗脳怪人ユメチビ!!」

白衣の下は紫色のメタルで包まれていた。顔も今や目が異常に膨れ上がり、アンバランスな凶相になっている。
ユメチビ「ヒヒヒ…私は部長の命令でこの学校にある石を探していたんだよ。学校をいじめだらけにし、学級閉鎖させれば、石を探しやすくなるからねえ!!」
ルル「よくもひどいことを…でも私はいじめなんかに負けないからっ!」
ユメチビ「君はそうでも、お連れさんのお2人はどうかな・・・!!」
ルル「!」

振り向くと、タレとりんごの眼が赤く光っていた。
そして2人はルルに飛び掛かり首を絞めた。

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14 :げらっち
2020/07/15(水) 23:21:03

「うぐ…」


息ができない。
年上2人がかりの渾身の握力の前に、ルルはどうすることもできずにただ弱々しい声を上げていた。

ユメチビ「いいぞ・・・素晴らしい、そのまま絞め殺してしまえ!友情のもろさを感じるねぇ!!」

友情…そうだ!
もはや声も出せず意識の飛ぶ寸前にまで追いつめられていたルルは、自分にもっと大切な力がある事を思い出した。
キズナパワー…!

ルルは念じた。
先輩であり友達でもあるタレとりんごが、自分のこと、CGRのことを思い出すように。
ルルの中で生まれた熱い気持ちは全身に伝わり、首元から手を通して2人の体に流れ込んだようだった。
そして反対に、タレの掌からは自然のようなジンジンとした安らぎ、りんごの掌からは電気のようなピリピリした刺激的な元気の良さが伝わって来た。
次の瞬間、ルルは床につっぷしていた。
2人が手を離したのである。

タレ「ルル、ごめんよ!」
りんご「よくも可愛い後輩を…!!」
タレ「よりによって私たちに殺させようとするなんて、ゆるすまじ!」
りんご「でも残念、うちらのキズナパワーの方が洗脳なんかより強いよーwww」
ユメチビ「な!」
2人は正気に戻っていた。
そしてルルが、息を切らしながら乱れた髪で立ち上がり、ユメチビを睨みつけた。
ルル「殺す(⌒‐⌒)」

ユメチビ「ヒヒヒ、それで勝ったつもりかい?まだこっちには生徒たちがいる!クラスメイトと戦えるかな?」
ユメチビが両手の棒を振り上げると、洗脳された生徒たちが一斉にルル達3人に飛び掛かった。
ルル「!」
その時。3人の周りでつむじ風のようなものが巻き起こり、生徒たちは3人の遠くに引き離された。
キー「お待たせしました!」
潤「到着~っと(`・ω・´)」
CGRの残りの2人、メガネ組が風に乗ってルル達の元に現れた。
りんご「遅いよーww」
タレ「でもこれで5人そろったな.。゚+.(・∀・)゚+.゚」
ルル「それじゃあ変身ですぅぅ!」
りんご「ちょい!なぜ後輩のあんたが仕切る!wwW」

5人はそれぞれのスマホを取り出し、胸の前にかざした。
「コミュニティアプリ起動!!!!!」

ルル「炎の勇者!ガールズレッド!」
りんご「電気の使者!ガールズイエロー!」
潤「水の覇者!ガールズブルー!」
タレ「草の猛者!ガールズグリーン!」
キー「風の賢者!ガールズピンク!」

5人「コミュニティガールズレンジャー!!!!!」

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15 :げらっち
2020/07/15(水) 23:23:13

そして次の瞬間、5人は校舎脇の廃倉庫に移動していた。
どうやら他学年の生徒なども合わせ、洗脳された大量の生徒たちがCGRを取り囲んでいるようだった。
CGRのメンバーはそれぞれの固有技で生徒たちを退けていた。

潤は放水、キーは風、相手を傷つけない技で生徒たちをひるませ捕獲していた。

メンバーでルルに次いで小柄なりんごは、倉庫内を自在に走り回っていた。走り抜けた後にはパリパリと電流が足跡のように残っている。
「スタン・ガーン!気絶してなーww」
りんごの手から電気が走り、近くに居た生徒たちは気絶した。

タレはりんごとは対極の動きを見せていた。倉庫の中央に佇立し、周りを自分のパワーで生やした草に囲まれている。
「リンゴー!生徒たちそっちに行ったでー!」
どうやら司令塔の役目を果たしているようだ。そこに他の生徒たちが詰め寄ってきた。手にはハサミやカッターを持っている。しかし。
ズボーッ!
「あ、そこ気を付けたほうがええよ。落とし穴あるで。。。って言おうと思っとったのに。うんホンマに。」
タレは真顔でそう言った。
そこにキノボーが駆け寄ってきた。
「タレさん大丈夫ですか~っ!」
ズボーッ
「それは草」


一方ルルだけは、じわりじわりと追い詰められていた。
ルルのエレメントである炎では、一般人相手に傷を付けずに戦うのは難しいということに気が付いたのだ。
ルルはどうすることもできず、生徒たちから逃げ回っていた。階段を上がって倉庫の2階部分に逃げた。
その突き当りで、見覚えのある顔に鉢合わせした。

ルル「みうちゃん…!」
そこには美羽が立っていた。眼が赤く光る。
ルル「やっぱり洗脳されていたんだね…」
こんな状況なのに、ルルは一抹の安堵感を感じてしまった。みうは自分の意志であんなことをしたんじゃない…

「違う。」

美羽が口を開いていた。
「私は、ルルが憎かった。特に目立ってるわけでも、ちやほやされてるわけでもないけど、ルルが優しくて、周りからも優しくされていたのが、憎かった。」
眼は未だに微かに赤く光っている。だがそれは、美羽自身の言葉だった。
「だから私は…、私だけは、わざと操られたの。」
美羽は倉庫の隅に置かれていたチェーンソーを手に持った。
「ねえルル?私をこんなに苦しめて、それって、いいこと…❔」

美羽はチェーンソーを起動し、ルルめがけて振り下ろした。
ルルは間一髪でそれをかわし後退した。
ルル「みうちゃん、やめて!」
美羽「うるさい!私をこんなに!こんなに苦しめて!!」
美羽は何度も何度もチェーンソーを振り下ろした。
ルルはどんどん階段際に追い詰められていた。このままではやられる。
だが、反撃できない。
私の炎魔法で攻撃すればみうちゃんは大やけどを負い、下手をすれば死んでしまう…
ルル「みうちゃん。それは逆恨みだよ!私はみうちゃんがしたことを怒ってない。だから、仲直りしよう!」
美羽「黙って!!!」
美羽はチェーンソーを思い切り振りかぶった。泣いているようにも見えた。
そしてチェーンソーが振り下ろされた。

ガツン!

美羽はうつぶせに倒れた。
ルル「怒るよ、さすがに!」
ルルは変身を解除し、渾身の一撃で美羽を殴り倒したのだった。

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16 :げらっち
2020/07/15(水) 23:27:12

「ヒッヒッヒ・・・そろそろCGRの連中もくたばったはず・・・!」
ユメチビは廃倉庫の屋上で不気味に笑った。その時。

「誰がくたばったって?」
ユメチビ「エッ!」
そこにはルル…ガールズレッドが立っていた。
ルル「お前だけはぜっっったい許さない!」
ルルは両手から小さな火柱を立ち昇らせた。
ユメチビ「小癪な・・・お前のその小さな勇気など私には届かない。そんなちっぽけな炎では私を倒せない!ギッタギタにしちょるーっ!!」
ユメチビのΓ型の棒が巨大化し、鋭い刃となった。それを両手で振りかざしルルを襲う。
ユメチビ「やはりハッタリだったな!」
ルル「太陽が爆発するのは本当ですよ!」
襲われる寸前、ルルは今までため込んでいた思いを一気に解放した。
すると炎が爆発的に大きくなり、意志を持った竜のようにユメチビを襲った。
ユメチビ「あぢぃぃぃぃぃいいいい!!」
ユメチビの人間の体は崩れ、その正体と思われる紫色のガスのようなものが吹き上がり、夕闇の空に消えていった。


夜になった。
キー「皆の洗脳が解けたようです( •̀ω•́ )✧」
真理類学園は今や、自我を取り戻した生徒たちとそれを迎えに来た保護者、責任を追及される先生たち、困惑する教育委員会関係者、TVの取材班とでごった返していた。

CGRのメンバーは混乱を避けるために別校舎の裏に移動していた。ここなら人が少ない。
潤「ルル、お疲れさまー(`・ω・´)」
ルル「でもこんなに大事になっちゃって、どうすればいいんでしょうか…?」
キー「大丈夫ですよヾ(・ω・`;)ノ雪華さんが全部後片付けしてくれますから問題ないです❀.(*´ω`*)❀.」
タレ「で、こいつどうする?」
タレが女子生徒を引っ張ってきた。タレが出したと思われるいばらのツタで縛り上げられている。
ルル「みうちゃん!」
りんご「うわっこいつまだ生きてたのかwwww」
美羽は気絶しているようだった。
タレ「こいつはメンズスターの味方をした。生かしておくわけにはいかないじょ。」
りんご「そだねーwwじゃあ僕ちんの致死量電圧スタン・ガーンでイチコロ…」
ルル「やめて!!!」
ルルは叫んだ。
タレ「おい!こいつはお前を殺そうとしたんやぞ。」
ルル「でもね…」
ルルは一言一言、丁寧に喋った。
「私、家族の事情で小3の時この学校に転校して来たんです。はじめは友達が出来ませんでした。でも、一番最初にみうちゃんが話しかけてくれたんです。遊ぶ約束したこともあるし、みうちゃんのうちに呼んでくれたこともあるし…。みうちゃんは意地悪なところもあるけど、私にとっては初めての友達だったんです!」

すると、美羽の体が光り輝いた。
タレ「何やこのきらきら!」
潤「これはもしかして…」
美羽の体はみるみるうちに縮み、小さな石へと変わった。
キー「“真理類学園で真の友情を見つけし時石は現れる”」
ルルは3つ目のキャスストーンを拾い上げた。
ルル「ありがとう、みうちゃん。大事にするからね。」
ルルはその温かい石を抱きしめた。


~一方こちら富士山上k(黙

紫色の気体が飛んで来た。
「部長!しくじってしまいました!!」
ゲラッチ「なにー!ていうかお前誰だっけ。」
「マンマ・ミーア。ユメチビの本体ですよー!!」
ゲラッチ「そうだっけ。影薄いから忘れてた♨あはっは。」
迅「ったく叔父貴はいつも口だけで役に立たねえなあ!」
クロボー師「スクールカーストをブッコワース!!」

つづく

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17 :黒帽子
2020/07/15(水) 23:29:06

美羽がオブラーみたいにイノマーって名前で幹部になると思ったら違ってた

あとライブマンとカーレンジャーを観ながら書いただろこれ

そしてクロボー師の最後の台詞は離反フラグとみた

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19 :黒帽子
2020/07/15(水) 23:32:16

というか取り巻きどーなった
さては文章では書いてないがこっそりと殺したか?


m.youtube.com
これをBGMにして読むと実感湧くかも

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20 :げらっち
2020/07/15(水) 23:33:20

>>17 いじめ加害者心理といじめの醜さを描いたつもり。
石になってしまうある意味残酷な最期…

ここまでキー潤が空気なので次回活躍させたいです!

🌟次回予告!
CGR一の才女、キー!
彼女の開発する必殺武器!
海に現れる巨大な怪物!

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WHOCARES.JP
17 :黒帽子
2020/07/15(水) 23:29:06

美羽がオブラーみたいにイノマーって名前で幹部になると思ったら違ってた

あとライブマンとカーレンジャーを観ながら書いただろこれ

そしてクロボー師の最後の台詞は離反フラグとみた