ゆめ、夏の終わる匂い、遠くで聞こえる子供の声と沈む夕暮れ、道場の縁側に座りながら手拭いで汗を拭くあの人、茜色に染まった横顔とその人の膝に頭を乗せて眠る安_定。──…全部が巻き戻ったような気がして、ずっとこれが続いていくんだと錯覚した。動乱の時代であれどこの時間は明日も明後日もあるものだと信じて疑ってなかったよ、だってあの場所には皆が居たから。…ねえ、だからそんな不安そうに笑わないで、せめて夢の中では過去に陶酔していいんだといつもみたいにあどけなく笑ってよ。(某診断が見せた、ゆめ)