日記一覧
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262.備忘録
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133 :
不-動-行-光
02/28(日) 23:09
駄馬、駄犬、ダメ刀。
愛や恩に報いる事の出来なかった俺らみたいなのはさあ。
じゃあどうしたら良かったんだろうな、なんて。
答えは分かってる。嘘だ、全然分かってない。
お前は分かってるのか。分かってないだろう。なあ、(零れた酒で墨が溶けている)
愛される為には先ず自分を愛せとか相手を愛せとか。
ありゃ嘘だ。真っ赤な大嘘だ。だってそんなの、キリが無いだろう。
自分を愛せなかろうと、誰かを愛せなかろうと、使えるなら刀は欲される。
俺みたいなダメ刀にさえ、またお呼びか掛かる位だからな。
価値の有無は、使う奴が決める。それだけの事なんだ。それだけなんだよ。
燃えて折れて潰されて、様々にして刀として使えなくなったって、価値を認められれば求められる。
切れるとか、切れないとか、そういうんじゃないんだ。使えるかどうか、なんだよ。
使えるってのはさ、喉を掻き切れるとか、主を護れるとか、そういうんじゃなくて。
どんな形であれ、恩を返せるか否か、なんだよ。
ダメ刀の末路を、本当は、知らないんだ。
何の因果か生き残って、求められて、求められて、求められて。
価値が有ったんだろう。そうだろうな。公自慢の逸品だ。そりゃそうだろうさ。
だから何だって言うんだ。求められて愛されて、俺は結局、返せないまま。
今の主には、せめて、恩義を返せるんだろうか。分からない。
俺は短刀だから、常にあんたの傍に居なくちゃ、あんたの事が分からない。
朝から晩まで、寝る時もずっと、傍に置いてくれなくちゃ、役目を果たせているのか分かんないんだよ。
敵があんたの寝込みを襲う時、あんたの傍に居なければ、俺は、また。
>誰かの腕を求めろと、いけ好かない顔が嘯いた、夢を見た。お前はそうしない癖に。
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