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297.瑠璃雨月
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17 :鳴_狐
12/22(火) 00:50

         虚  ノ 時 に  一 さ じ  




一年前の今日、俺はすごく空っぽで。
何も無いことに失望し、それと同時に安堵するような乾いた日々だった。
師走の騒然とした空気の中で、大勢がいる場所に出向くのも億劫だった俺は
何の気兼ねもなくともに有れる友人を募ることにした。
恋愛発展する気なんて皆無な、素っ気ない文章だったと思う。
それを見て、文を送ってくれたのが小_狐_丸だった。

整然として誠実さの滲む文章の中にあった一文に俺は目を剥く。


#お前を最初で最後の鳴_狐にする


間違えれば愛の告白にも聞こえるくらい、情熱的な言葉だ。
出逢い頭こんな事を言われたのは初めてで、本当に驚いた。
顔を変えない遣り取りを好み、同じ顔の友人を作らない主義の貴方だったからこその他意のない言葉だったんだろうけど、
あの言葉を聞いて俺は「この人に愛される人はきっと、幸せだろうな」なんて、他人事みたいに思ったんだ。

一年経った今日、俺がこうして貴方の帰りを待っているなんてあの時の俺は想像だにしていないだろう。
沢山の愛情と、沢山の熱と、沢山の擦れ違いと、沢山の仲直りを重ね
日に日に頁が増えていく日記帳のように
俺たちは一年前より、一ヶ月前より、昨日より、確かな絆に繋がれる。
昨日、日付けが変わった時の会話を覚えておきたいから、綴らせて。


#鳴_狐「これから1年、2年って一緒にいてね。」

>小_狐_丸「5年、10年と共に歳を取ろう。」

#鳴_狐「ふふ、ずっと貴方を惹き止める努力をしなきゃ。」

>小_狐_丸「惹き止めるも何も、お主の為を思ってか、お主に私への情が尽きぬ限りは離れはしない。」

#鳴_狐「………じゃあ、貴方と俺は本当に一生一緒だね。」

>小_狐_丸「一生どころか、来世も番じゃろう」


……貴方の前だと、口にするのが苦手な「一生」とか「ずっと」って言葉も自然と出てくるから不思議。
安心してしまってる、心から。少し、怖いくらい。



小_狐_丸、小_狐_丸。

俺は貴方と出逢って、本当に幸せ。
あの日俺を見付けてくれて、心からありがとう。

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