人間という肉体を得てから様々な欲を知った。
あれの作るいり卵を思い出して口の中の唾液を飲む、食欲。
あれと互いに僅かの隙間すらないように身を寄せ合って目を閉じて感じる、睡眠欲。
あれが飲めない酒で赤くなり蜜のように瞳を蕩けさせて己を呼ぶ時の、性欲。
性欲を感じるのはこれに限らないが。
そもそも俺は何故こんなことを書き付けているのか。
何故と書いたが知っている。要はあれに触れたいだけだ。
夜戦もいい。遠征もいい。だがあれに触れられないのだけは耐えられない。
ということを主に延々と視線で訴え続けたら数日後にあれ共々休みをもらった。
今から浮かれている。
抱き潰す。