筆を変えたら慣れるまでに相当かかった。
大分間が空いたがこの程度の理由だ。
あれとは相変わらず睦まじく過ごしている。
俺が夜戦に出るようになってから顔を見て言葉を交わす機会は減ったが、代わりに置き手紙の楽しみが増えた。
今日は昼寝をしていて気付いたら腹に左.文.字の末子が引っ付いていたらしい。どうやら橋帰りで相当疲弊していたらしく、恐らく部屋を間違えたのではと。声をかけた程度ではぴくりともしなかったそうだ。
とても可愛かったと結ばれた文の下に描かれた画はどう見てももののけに毛玉がへばりついている図だったが、そこは想像力で補うこととする。
そろそろ夜が明けるな。
夜戦帰りに筆を取ったが、何故こんな悠長に書き連ねているかといえば要は寝間着がない。
具体的にはあれが抱いて寝ていたために手元にない。
流石にこの時間になればあれも起きるだろう。
寝間着が濡れていないことを切に祈る。